第14話認知症の人の世界観

介護スタッフでさえ認知症の人の中の世界を理解している人は少ない。


しかも人により違う世界観の中にいる。同じアルツハイマー病であれピック病であり違うのだ。


帰っている年齢でさえもずっと同じ年齢の人もいるし、

その時その時で幼子になったり働き盛りになったりする人もいる。


年齢を遡ってる人はその時点でその時の状況に居るのだ。

だから周りにいる人はその時の関係のあった人に見えている。


一番帰ってしまった人は赤ちゃんやそれに近い年齢に帰っているので箸の使い方やお風呂の入り方まで知らない段階なのだ。


恥の観念が残っている人はそれが恥ずかしいのでそれをやらないように持っていくのだ。何が何でも食べない、入浴しない。


過去を思い出しているのではない、そこに居るのだ。


短期記憶、最近の記憶が根付いていないのですぐに消えて、毎回新た、最初なのだ。


徘徊と言われている事は探し求めて歩いている可能性がある、

誰かを(親か?)何か?(子供の頃に居た家?)

時間、空間、場所、人間関係に混乱しているために安心出来る所を求めて。




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