第2話

今年90歳になる彼女の口癖は、バカヤロー、お前ら、馬鹿ばっかりだなー、。耳は遠く聞こえずらくなっており、歩く事はもう出来ず。


認知症もかなり進み、食事も固形物は食べられなくなってしまった。

肺炎を起こして咳をしているからだ。


長年独り暮らしで教授を仕事にしていた。自分は偉いんだと言い、お前らは私より馬鹿だ、と言う。


彼女の日課は車イスとベッドのどちらかだ。


口を開けば人に文句ばかりなのだ。

神経質な表情であれは違うこれも違うと。


たぶん自分が唾をぺっぺとあちこち飛ばしている事は無意識でやっている。自分の洋服の着方には無頓着なのだが何故かスカートには執着している、スカートは無いのか?とよく聞いてくる。あまりスカートは持っていないのに。


もう自宅には帰れないだろう、一人暮らしは出来ない限界になってしまったからだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る