孤独という病、人工現実感という処方箋

健康であることは長生きの必要条件ではあります。しかし十分条件ではありません。

俺の場合は中卒かつ精神疾患なので生涯にわたって恋人や伴侶を見つけることはおそらくないと思われます。それどころか友人を作ることすら難しいでしょう。今までの人生で友人と呼べる人が三人はいたのですが、全て絶交されているので、火を見るよりも明らかです。

個人的に一人ぼっちでもとくに問題ないと最近までは思っていたのですが、実は孤独は健康の重大なリスクになりうるのです。

運動不足や喫煙や重度の肥満と同レベルのリスクになると研究結果が出ているため、早急に解決する必要があります。

孤独感を感じていて寂しいならSNSなどのネット上で見ず知らずの人とコミュニケーションを取ればいいのではないか? と考える人もいるでしょう。しかしそれは解決策になるどころか、むしろ孤独感を余計に強めます。生身の人間と接触しないと孤独を埋めることは難しいのです。しかしコミュニケーションが上手くないと生身の人間と会話を続けるのはおそらく過度のストレスが生まれるだけです。仕事上の関係ならば話題は決まっていますが、何気ない世間話から趣味の会話などをできるほど親密な関係を大人になってから築けるほど器用な人ばかりではないはずです。

電話やメールやSNSなどの非接触のコミュニケーションと生身の人間とのコミュニケーションの折衷案としてVR空間でのコミュニケーションがあります。ただしVR空間でのコミュニケーションにはまだ高価なゲーミングPCとVRヘッドマウントディスプレイが必要で、スマホのようにあらゆる世代に普及するかは今後の業界の動向に注目しておく必要があります。VRヘッドマウントディスプレイの小型化や軽量化、高価なゲーミングPCがなくても十分な処理能力を持ったCPUをVRヘッドマウントディスプレイに搭載することが求められます。VRヘッドマウントディスプレイの解像度も現実に近い方がいいでしょう。しかし現状の解像度でも十分だという意見もあります。近年の動画サイトは高画質がごく当たり前になりましたが、動画サイト黎明期(13年ほど前)に我々は画質に文句を言ってはいませんでした。乱立した動画サイトが高画質を売りにし始めてから画質を気にするようになったのです。しかし画質を気にしないのはあくまで動画だからでVR空間では話は変わります。

VRという言葉は一般に仮想現実と訳されますが、人工現実感と訳した方が正確だそうです。我々の生きている現実の解像度は高いです。しかしVR空間の解像度は低いため、情報量が少ない。それが逆にいいという人もいるようですが、孤独感を埋めるためには解像度が高いVR空間が必要だと思われます。

生身の人間との接触に近ければ近いほど親密感はおそらく増します。


ではまた明日。

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