優雅に生きることが最大の復讐である

得道小路

憎まれっ子は世に憚る、されどあの世に近い

殺人という社会的リスクの大きい方法を取っても復讐したいほど憎い奴が俺にはいます。

実際に人を殺してしまえば俺は豚箱に入らなくてはなりません。警察から逃げ切ることはまず不可能です。そして死んでしまった人間は警察に追われることはないのです。殺して損をするのは俺と俺の血族。世の中は不平等です。

俺が憎んでいる奴はそれなりの大学でそれなりの研究をしています。

俺は頭が良くありません。頭が悪いから研究の有用性はよくわからないです。精神疾患のせいでIQが八%から九%程度下がっているのも関係していそうです。

憎まれっ子世に憚ると言いますが、まさにその通り。奴は大学で博士課程に進み、研究者として立派にやっています。

一方で中卒の俺は物流会社のゴミ処理作業員です。中卒なんだから当たり前ですが。

精神疾患さえ発症しなければ、高校は中退せずに卒業できたかもしれないですね。ですが、精神疾患は遅かれ早かれいつかは発症していたかもしれないので、結局のところ時間の問題だったと言えます。しかし日本は学歴での採用を前提にしている企業が多いから、もし精神障害の人を職場に受け入れる体制が整っていても、高卒以下だと応募すらできません。

すいません。ちょっと話が脇道に逸れ過ぎました。俺の身の上話など、実はどうでもいいのです。

優雅に生きることが最良の復讐である。ということわざがスペインにはあります。

前置きで話したように殺人は社会的なリスクが大きい。そもそもからして人は殺さなくてもいずれ死にます。どんな人も日々老化していくためです。

そんな自明なことをわざわざ言われても……。とこの文章を読んでいるあなたが呆れているのが目に浮かびます。

わかってますよ。俺は頭が悪いからこの事実に気づくのに時間がかかったのです。

俺が憎くて死んでほしい奴は酒を嗜んでいるようです。酒を趣味にするということはそれなりに収入があるのでしょう。酒は百薬の長と言われています。ですが最新の研究結果では酒は百薬の長どころか、万病の元だと明らかになっています。ちょっとだけなら身体にいい影響があるのでは? と思っている人は考えを改めた方がいいです。国が合法で販売を許可している殺人ドリンクですよ酒は。

ただストレス解消にはもってこいでしょうね。ストレスの害が酒の害より大きいなら酒は百薬の長になりえます。タバコも同じでしょうね。ストレスの害が大きい職場で働いている場合、酒やタバコなどの嗜好品は薬になりうるのです。そもそもそういう職場で働いてること自体が寿命を縮めているので賢いとは言えないと思います。そんなことアホに言われたくないとは思いますが。


明日に続きます。

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