第2部
幼馴染みと暮らす家
「やっほー、彰人に菜月ちゃん。私、今日から梅沢家で暮らすことになったから」
俺が円香と付き合い始めてから数日後、梅沢家にやって来た円香は俺に向かってこんなことを言い出した。円香はご丁寧にキャリーバックに荷物を詰めている。
時刻は夜の9時すぎ。この日は日曜日ということもあってか、円香は朝から握手会に参加していたし、菜月も昨日から泊まりがけであった映画の撮影から帰ってきたばかりだ。俺は食事どころか風呂も済ませており、明日は月曜日なので早く寝たい・・・という時間である。
当然俺は「ちゃんと親に許可貰ったんかよ!」と言ったが、円香はちゃんと自分の両親の許可を取っていたし、俺の両親にも連絡を取ったらしい。しかし・・・
「円香さんがうちに住み込むなんて聞いてません!それにあんな泥棒猫がうちに転がり込むなんて、認めるわけにはいきません!」
撮影から帰ってきたばかりで明らかに疲れ切っている菜月は猛反対である。しかし、
「・・・でも、お兄ちゃんの邪魔をしなければいいんですけどね」
と最終的に菜月は折れて、自分の部屋に入ってしまった。結局、菜月はこのまま眠ってしまい、俺もこれから寝ようとしていた時・・・
「私、ここで寝ることになったから。恋人同士だし、いいでしょ?」
円香の寝室は、俺の部屋だったのだ。
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