幼馴染みの告白
「・・・全く、何なの。菜月ちゃん」
「円香さん・・・あなたのこと疑ってごめんなさい!円香さんがお兄ちゃんのことをこんなに大好きだったなんて知りませんでした」
「え?私が彰人が大好きって・・・」
「だって円香さん、お兄ちゃんにいつもちょっかいかけてくるじゃないですか」
「・・・」
円香、何を言っていいのか分からなくて困ってるぞ。
「・・・だって彰人、私の気持ちに全然気づいてくれないんだもん」
円香が俺の方に顔を向け、こう言ってきたのだ。
「私、彰人のことが大好き。もちろん異性としてね。愛してるの」
「・・・お前、自分の立場がわかっているのか?仮にもお前はアイドルという立場なんだぞ。アイドルというのは夢を売る職業。それに恋愛がご法度という業界に、お前はいる」
「・・・うん。それはわかってる。でも大好き。愛してる。その気持ちは16年間ずっと変わっていないよ」
これがアイドル属性を持つ、暴力ヒステリー幼馴染みの本音だった。やべぇ、顔がめっちゃ紅潮してる。それに心臓もバクバクしているし・・・それに、16年間愛してるって・・・生まれた時からかよ。
それに・・・めっちゃ嬉しいよ。俺だって円香のことめっちゃ好きなんだからな。長くて綺麗な黒髪に、雪のように白い肌。そして、人形のように綺麗に整った顔立ち・・・世界一の美少女アイドルを独り占めにできる権利が今、俺にある。・・・今からでも是非、独り占めにしたい。
「・・・俺も円香のことが好きだ。もちろん異性としてな。その気持ちは生まれた時からずっと変わらない」
「ほんと!?」
「ああ。円香に散々殴られた俺が言っているんだから間違いない。付き合ってもいいんだぞ」
「え!?・・・はい!彼女になります!私、めっちゃ嬉しい!」
俺と円香はお互い顔を合わせ、お互いの唇が触れ合った。もちろんファーストキスだ。キスの味は、脳が溶けるようなとっても柔らかい味だった。そして・・・
「・・・円香さんには完敗です。それに私が負けることは知っていました。だって、兄妹は結婚できないですからね」
菜月は少し涙目になりながら、晴れて恋人となった2人にこう言ったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます