妹が出るラジオ

学校から帰宅すると、俺は菜月のラジオを聴くことにした。放送日時は毎週火曜日の夕方6時から2時間。中学1年生で個人のラジオ番組を持つ菜月にはつくづく感心してしまう。


・・・しかし、今日の菜月は明らかに機嫌が悪かった。菜月の機嫌の悪さはラジオを聴いている俺からでもわかるほどだ。


ちなみに夕食は菜月が事前に作っていた。7時くらいになったら、温めて食べるか。




で、午後8時。俺が夕食を食べ終えて、後片付けをし始めた頃にラジオは終わった。そして夕食の片付けを済ませた俺は風呂に入る。俺が風呂から上がって、リビングに戻った頃、菜月は帰宅した。




「ただいま」


「お帰り、菜月。ラジオ聞いたぞ」


「ありがとう」




菜月はすぐさま2階の自室に上がり、制服から私服に着替える。そして着替えを済ませた菜月はダイニングに向かい、冷蔵庫から自分が作った夕食を取り出し、温めて食べる。




「そういえば、お兄ちゃんに謝りたいことあったんだった」




食事を済ませた菜月は後片付けをし、俺にこう言ってきた。




「今日は色々あったね・・・でも私、お兄ちゃんが大好きなの。だからゴメンなさい!」




菜月は俺に一謝りした。




「それに・・・私、円香さんにも謝りたいの。実は言うと夕方のラジオの時、『今日の菜月ちゃん、機嫌悪くない?』ってメッセージがいっぱい届いていたの。機嫌が悪かったのは事実だけど、それでファンの心悪くしたかな・・・って考えると私、すごい罪悪感に見舞われて・・・」




俺は円香に『菜月が今日のことについて謝りたいって言ってる』というメッセージを送った。すると円香は数分で梅沢家の玄関に駆けつけたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る