幼馴染みと通う学校

次の日は菜月が作った朝食を食べ、午後から仕事に向かう菜月と一緒に学校に向かった。・・・円香が後ろから付いてきたけど。




「じゃあ昼、中庭でな」


「うん、わかった。お兄ちゃん」




昼食も菜月が真心こめて作った弁当である。そして学校へ着くと、俺は高等部の校舎へ、菜月は中等部の校舎へ向かう。




「で、円香。なんでお前は朝からずっと、俺たち兄妹の後ろ付いてコソコソと歩いていたんだ?」


「だって・・・私、彰人のこと大好きだし、菜月ちゃんも可愛いし・・・って何私、何言ってるの!バカバカバカ!でも、彰人がかっこ良すぎるのが悪いんだもん・・・私は悪くないの」


「ほー、天下のアイドル様も男には敵わない訳ですかー」


「ええ、そうよ!私、彰人のこと大好きなんだもん・・・って、何言ってるの私!前言撤回!彰人のバカ!アホ!女たらし!」


「おぅぁ!危ねぇって!てか、何で怒ってんだよ!!」




円香が顔を紅潮させて、ものすごい剣幕で殴りかかってきたのだ。俺は一目散で走り出し、教室に駆け込む。しかし、円香も負けじと俺を目掛けて追いかけるのだ。




「バカバカバカ!もう知らない!」




俺が受け身をとり何とかかわすと、円香は興奮が冷め、我に返る。そして咳払いをし、俺の方にニッコリと少し怖い笑顔を向けてきた。




「ゴホン。彰人?この事は全てさっぱり忘れるのよ?いいわね?」


「・・・はい。もちろんです」




しかし、ここは教室。俺と円香だけしかいないという状況ではなく、この時すでに多くの同級生が姿を見せていた。当然、クラスメイトの視線は俺たち2人に向けてくる。




「しっかし、梅沢くんと小野寺さん、ラッブラブですなー」


「さすが幼なじみカップル。熱いですねー」


「でも円香ちゃん、熱愛発覚じゃん!」




結局この日は1時間目からずっと、クラスメイトの目は俺たち2人に向けられていた。

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