3.《磯子ハツノリのメモ帳》より
4月9日(水)のメモ
3年に進級した。
これを機会に、毎日思ったことを
メモしていこうと思う。
3ヶ月間眠っていた「ほぼ日手帳」が、
ようやく役に立つ時がきたのだ。
あのサイトを見てると、さほど使う予定も
ないのに欲しくなってくるから困る。
それはさておき。
まずは近況をまとめておこう。
中学3年と言えば、受験だ。
周囲では偏差値だの志望校だのの話題が
増えているが、僕にとってはそんなことは
どうでも良かった。
正直、コツをつかめばテストの答えなんて
すぐわかる。
昔から勉強なんてしたことがない。
昨年、ほんの気まぐれで、生まれて初めて
模試というやつを受けてみたときも、
5教科500点満点のテストでなぜか
504点を取るという史上初の快挙を
成し遂げたらしく、全国規模の大騒動に
なって面倒くさいだけだった。
なんでも採点をしたコンピュータも
想定できなかった、通常の正解の遙か上を
いく大正解を出してしまったらしく
教育委員会が3日3晩の審議を重ねた上で
決断したとか。
そういうこともあるのかと
我ながら驚いたが、僕が天才だとか
そういうことではなく、きっとその
コンピュータがポンコツなんじゃないかと
思う。
そんなことがあってから、面倒なので
普段のテストではわざと適当に間違えて
上の下くらいの成績をキープしているが
その模試の一件もあって校内では
「隠れ成績優秀キャラ」で
一目置かれている。
……そんなことで注目されるのは
本意ではないのだが。
だから僕は今、受験だとかそんなことよりも
深刻な問題に頭を悩ませている。
僕の野望……つまりは今後の人生を左右する
重要な問題だ。
こればかりは僕ひとりの力ではどうにも
ならないので、どうしたものか思案に
明け暮れる毎日なのだ。
きっとそのためにも、こうした毎日のメモが
欠かせないだろう。
日頃思ったことなどメモしておくだけでも
後々のネタとして役に立つことも
あるようだし。
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