【資料】修正前後の文章(抜粋)
本編の中で指摘があった文章の一部を、過去の修正履歴と共に切り出しました。文の雰囲気が変わっていく様子をご確認くださいませ。
誤字や脱字、稚拙な表現などをそのまま晒す為、男の私がスカートを履くぐらい恥ずかしいのですが、大丈夫です(何が?)。
もし参考にしたい方はご覧になって下さい。
――――――
(…… 中略 ……)
それほどこの紙の解読は、難解なものだった。(→それほどこの紙の朗読は、難解なものだった。→それほどこの紙の判読は、やっかいなものだった。)
(…… 中略 ……)
行き場を失った文字たちの気持ちを考えてみるといい。行き詰り、息詰まり、苦しそうだと彼は思う。文字たちは繋いでいた手を千切られ、意味は孤立し、窒息させられる寸前だった。
そうした文字たちを救うジェットコースターのレールのような矢印が、彼には天から差し出される(→示される)救いの道に見えた。移動先の文字と文字の間におさまって、文は再び息を吹き替えし、新たな意味を形成するのだ。
(…… 中略 ……)
「そりゃあ、誰だって事前に10回も原稿を読み直す時間があれば、同じことができるかもしれません。でも神浦さん、渡された原稿に目を通すの、たった1度だけって聞きましたよ? どんなに赤が入ったり急な修正でも瞬時に覚えて、対応しちゃうんでしょ? あの人しかできないですよ。流石としか言いようが無いですよ」
↓
「そりゃあ、誰だって事前に10回も原稿を読み直す時間があれば、同じことができるかもしれません。でも神浦さん、渡された原稿に目を通すの、たった1度だけって聞きましたよ? どんなに急な差し替えが入っても瞬時に覚えて、対応しちゃうんでしょ? あの人しかできない事です。流石としか言いようが無いですよ」
↓
「原稿渡して読ませている分には、あいつに敵うやつはいないだろうさ。意固地になって
↓
「原稿渡して読ませている分には、あいつに敵うやつはいないだろうさ。意固地になって
(…… 中略 ……)
『マコトに電話。今日は夕飯、食べるのかどうか』(→『マコちゃんに連絡。今日は夕飯、食べるのかどうか』)
(…… 中略 ……)
もともと人付き合いも、後人を育てるのも、人を管理するのも得意ではない。彼が唯一、得意として誇れる武器が折れてしまえば、彼はもうこの社会で戦えないだろう。
そんな迷いは、彼をさらに憂鬱にし、職場での周囲との付き合いを、ますます薄っぺらな物(→もの)にしていた。
(…… 中略 ……)
神浦はオフィスの柱に備えつけられた、アナログ時計を見た。(→神浦はオフィスの柱に備えつけられ、正確に時を刻む電波時計を見た。)
(…… 中略 ……)
「
空気が、何か懐かしい澄んだ空気が、神浦の幼く、さらさらとした髪の間をすり抜けていった(→坊主頭の脇を通り抜けていった)。そこには風があった。そしてもうその場所は、見慣れたスタジオではなかった。
(…… 中略 ……)
海の公園のベンチに、男女が座っていた。
男は神浦だった。彼はおもむろに立ち上がると、女性に向き直った。彼は舞台の王子のようにひざまずくと、頭の中で完璧に覚え、何度も暗唱した愛の言葉を唱えだした。
↓
男は神浦だった。彼はおもむろに立ち上がると、女性に向き直った。ひと呼吸の間を取るあいだに、ごくりと唾を飲み込んだ。意を決してひざまずくと、彼は頭の中で完璧に覚え、何度も練習した愛の言葉を唱えだした。
(…… 中略 ……)
「……さあ、とりあえず夜の店を予約(→今夜行く店の予約)をしてくれないか。あいつとまた、夜を明かして呑まにゃならん。お前も来るだろう?」
――――――
以上です。
実録!「語りの人」リテイク記 まきや @t_makiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます