3.ドキドキの待ち時間。そしてリテイクの始まり。



(まきやがこの時送らせてもらった原稿の一部は、このエッセイの終了後に資料として載せる予定です。興味のある方はご覧ください)


 読んでもらいたくて書いたくせに、読後の感想を待つ時間は少し不安だったりします。


 そうしているうちに、時はやって来ました。


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【師匠】拝読しました。

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 返事が来たーーー! そしてこのあとに続く言葉は……。


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【師匠】文章が滑らかに読め、分かりやすいです。また台詞回しも非常に自然です。

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 やったー! まずは高評価を頂きました。思わずガッツポーズのまきや。


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【師匠】他の作品も拝見しました。行頭にスペースが開いていないのですが、文が積み重なったとき、開けてある方がかすみ目のある人間には読みやすいです。

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 そうなんです。この頃のまきやの短編は、話ごとに体裁がばらばらでした。冒頭の空白や行間について、ウェブ小説での書き方を模索していた為です。


 そこを早速指摘されてしまいました。さらに師匠の文章は続きます。


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【師匠】「まず非常に追いずらい文章に手こずる。」→追いづらい

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 あれ? もしかしてもう、リテイクが始まってる? まきやは今さら気づきました。


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【師匠】「文書を伝えるプロアナウンサーがそれに、声に出してチャレンジしてみたとする。」→ここは、助詞「に」が二連荘な部分があり、微妙にリズムが悪いような気がしました。

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 あっ、言われてみれば……


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【師匠】「それほどこの紙の解読は、難解なものだった。」→この表現に「頭痛が痛い」的なものがあります。


【師匠】「天から差し出される救いの道」→天から差し出される救いの手/天より示された救いの道。道は差し出せないものなので……

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 出るわ出るわ、指摘の連続……まきやは言葉を失いました。


 もっときっちり見ておけば! どれだけ悔やんでも、もう遅すぎます。いや読んでいても気づけなかったから、言われるのです。


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【師匠】「職場での周囲との付き合いを、ますます薄っぺらな物にしていた。」→薄っぺらなものにしていた。


【師匠】「けれど血が出る場合があっても、ほとんど無視していい類の傷だ。

けれどその時、神浦は忘れていた。」→けれどが二回続いています。

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 師匠の指摘は誤字・誤用に留まりません。


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【師匠】教授の呼称についてなんですが、「先生」が普通です。「○○大学名誉教授、□□先生」等のように紹介し、敬称としては「先生」を通常は使っていると思います。

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 まきやの無知についても実に的確に、漏らさず突っ込みが入ります。


 一時中断します、と言ってチャット画面から去っていった師匠。その間にまきやはあわててもう一度、自分の文章を読み直します。


 そのあと御用から戻られた師匠は、この短編のさらに本質的な事柄について、私に問うことになるのです……

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