第29話 ダンジョン 第十二階層

「さぁ、どうする?」


 盗賊の親玉は御主人様が倒しました。残りは女盗賊Lv.40ただ一人です。


「くっ!!私がレベル1に屈するなど・・・」


本当に誰だってそう思います。御主人様のレベルは誰が見てもレベル1。でも強いんです。不思議です。ハリカはいつも馬鹿にしてますが、ワタクシは馬鹿になどしていませんわ。


「もう残りはお前ひとりだけだ。このまま俺に犯されるか、それとも俺に身体を差し出すか?好きな方を選べ。」

「御主人様、違うでしょ!倒すんでしょ!敵ですよ、倒さないとポイント入らないですよ!」


御主人様はいつも卑猥な感情を隠そうともせず表出させ周囲に期待を与えています。しかし、それを期待と思うのはワタクシ達愛人仲間の三人だけかもしれませんが。増えても困りますし・・


「え〰、(やってからでも)ゴニョゴニョ…」

「え?何ですか?聞こえません。」

「ハリカ、エイレム、こいつは任せた。」

「無理ですよ。レベルが違いすぎます。倒せません。」

「そうですわ。レベルがこんなに離れていると全く効果を発揮できませんわ。」

「じゃあ、俺も手伝うから攻撃しろポイントがはいるぞ。」

「あなた達三人で私の体を甚振るの?SMも好きよ。」


この女は変態なのでしょうか?御主人様を甚振る仲間が増えるかもしれません。


「なんか、この女盗賊Lv.40怪しくなってないですか?」

「は?ハリカ、怪しくない。これぞ人としての正常な反応だ。見習え。」

「はぁー、そうですね。」

「ハリカ、成長したな。素直になった。よし攻撃だ!」


 御主人様、ハリカは呆れているだけだと思いますわよ・・・


 御主人様は女盗賊Lv.40に向かって攻撃を開始しました。

剣を構えて斬り掛かってい行きます。


「あん♡」

「御主人様!胸を揉んでも気持ちいいだけで赤いバーは減らないですよ。むしろ快復してますよ。」

「あ!間違えた。すまんすまん。」


まぁ、何をどう間違えたら攻撃で胸を揉んでいるのでしょう。少々嫉妬します。


「どんな間違いですか?わざとでしょ?」

「ち、違う!!敵の妖術だ!!うっ、いかん!身体が勝手に・・勝手に服を脱ぎ始めた!いかん、この儘では挿入してしまう。駄目だ!!体が言うことを聞かん。これでは地獄に逝かせる前に天国に逝かせてしまう。」


う、上手い良いわけですわ。でもそんなハズはありませんが。でも見ず知らずの人を天国に逝かせるのはワタクシが許しませんわ。ワタクシでさえ天国には未だ逝かせてもらってないのに・・・


「御主人様、遊んでませんか?4人組のパーティーも見てますよ。」

「あっ!妖術が解けたようだ。何だ四人組は逃げなかったのか。よし今度は剣で攻撃だ。エイレム、魔法を使え。ハリカは剣で攻撃しろ。」


 十数分掛かりました。到頭御主人様は女盗賊Lv.40を倒されました。御主人様が『遺憾だ。』と仰っていたのがきになりますが、何が遺憾なのでしょう・・・

しかし、盗賊に奪われたワタクシ達の剣は取り戻せました。


 戦いの後に表示された数字は『3:0:221:4』

 エイレムが3、ハリカが4、俺が221だった。

 ポイントもだいぶ貯まった。どんな商品と交換してもらえるんだろうか。


 

「大丈夫でしたか?怪我してませんか?」


 御主人様は四人組に優しく声をお掛けになられました。特に美女二人の方を見られていたのが気にかかります。


「大丈夫でしたよ。すいません。隠れてしまって。まさか倒せるとは思わなかったものですから。」

「いえ、仕方ないですよね。俺達は先へ進みますが戻ったほうが良くないですか?」

「いえ、もう少し進んでみます。暫くご一緒しても宜しいですか。」

「どうぞ、俺は構いません。」


 ワタクシ達は暫く金髪碧眼の美男美女達と同行することになりました。バケモノは数多出没しましたがワタクシ達は順調にバケモノ達を殺しながら先へ進んで参りました。

 男女4人のパーティーがどれほどポイントを貯めているのか気になると御主人様が宣ったのですがったが、聞くのは失礼だろうとお止めしました。


 結局第11階層は大した敵は出ることもなく終了しました。思えば盗賊が最大の敵だったのでしょう。


 ワタクシ達は第十二階層へと突入しました。

 ここは山の麓から続いているような崖や切り立った岩肌など山頂へと続いている場所でした。


「女性二人と男一人の三人パーティーでここまで来られたんですか?」


 四人組パーティーの金髪碧眼の身体の大きな殿方が御主人様に話しかけて来られました。


「いえ、女性三人と男一人できたんですけどね。」

「あー、ひとり殺されて第一階層でお待ちなんですね。」

「多分、第五階層のホテルの部屋ですね。」

「へー、それは良いですね。俺もホテルの部屋で寝てたかったですよ、あはははっ。ところであなたの強さの秘密はその剣でしょ。」

「そうですね。この剣には助けられてますよ。」

「少し見せてもらえませんか?後学のために。」

「いいですよ。どうぞ。」


 御主人様は殿方に剣を渡されました。

 殿方は剣を抜き刀身を見つめています。

 刀身は直刀ではなく彎刀わんとうで反りがあり、地肌は板目肌で刃文は乱れ刃です。一度持たせてもらったことがあるのですが、刃はそれ程鋭くなく手で触っても手は切れません。

 一見研いでない刀に見えます。

 とても切れる刀には見えません。

 しかし、男は逆のことを言い始めました。


「これは、凄いですね。良く切れそうですね。何でも切れるでしょ?」

「良くご存知ですよね。」


 ワタクシは、この時点で気づくべきでした。

 知るはずもないことを知っている殿方の違和感を・・・


「つまり、貴様はこれがないと何も出来ないということだな。」

「は?」


 突然口調の変った男に戸惑う御主人様。御主人様もワタクシも対処に遅れました。ハリカは置いておくとして・・・

 男はワタクシを人質にとり宣言しやがりました。


「俺達は第十二階層の盗賊だ。大人しくしろ。」


 見ると四人の頭上に名前と赤いバーが表示されました。つまり、コイツラも敵だったということです。

 名前は盗賊トムLv.50、盗賊ボブLv.48、女盗賊リズLv.60、女盗賊ベスLv.58

 女のほうがレベルが高いのです。

 盗賊トムはワタクシの後ろから剣をワタクシの首につけて、いつでも切れる体勢を取っています。くっ、首が痛いです。


「あっ♡」


野郎はワタクシの大きな柔らかい胸を揉みしだいてきました。思わず声が出てしまいました。も、勿論濡れてませんわ。


「おい、それは俺の胸だぞ。」


そうです。これは御主人様専用の胸です。


「御主人様、あれはエイレムの胸ですよ。」


ハリカ、煩い!


「エイレムの胸は俺のもの、俺の胸は俺のものだ。」

「どこのガキ大将の理論ですか?」

「でもハリカ、お前の胸はお前のものでいいぞ。」

「むかぁーっ、ボクは怒りましたよ。ボクの胸も御主人様のものでいいじゃないですかぁ。」

「今お前はエイレムの胸はエイレムのものと言ったじゃないか。その舌の根も乾かぬうちに、逆のことを言い始めるのか?」

「くそぉっ。」

「お前ら煩いぞ。取り敢えずお前ら服を全部脱げ。男はここで殺すから脱がなくてもいいぞ。」

「え?だったらそこの金髪碧眼のお姉さん二人も裸にならないと不公平じゃないか。お前ら男二人は脱がなくてもいいが。」

「何だそりゃ。どんな乱交パーティーだよ。」

「どうして、お前らがエイレムとハリカの服を脱がせようとするんだ?」

「趣味だ!」

「趣味か。なら仕方がない。だったらそこのお姉さん二人も裸になることを条件にハリカが裸になることを認めよう。」

「嫌ですよ。どうしてボクだけですか?酷いですよ。」

「仕方ないだろ。あの二人のお姉さんの裸をどうしても見てみたいんだ。犠牲になれ。」

「だから!だからどうしてボクだけですか?あいつらをやっつけて女達を無理やりひん剥いたら良いじゃないですか。」

「ハリカさん、口が悪いよ。でも剣がないし、あいつらレベル高いぞ。女盗賊なんかレベル12のハリカの5倍くらいあるぞ!」

「何言ってるんですか。それを言うなら御主人様の60倍もあるじゃないですか。本当にどの口が言ってるんだか。いぃっ、い、痛たたたたたたぁ・・・・どうしてほっぺ抓るんですか?痛いですよほっぺが!図星を突かれたからと行って酷いです。断固抗議します。」

「しかし、こんな時にレイラはどこに行ってるんだ?全く戻ってくる気配がないし。」

「エイレム、こっそり魔法で攻撃できるか?」

「む、無理ですわ。レベル差がありすぎます。」

「クソ、このままだとエイレムの裸を晒すことになるぞ。ハリカの裸はいいが・・」

「ハイ、そうですわ。ハリカは良いとしてもワタクシの裸まで晒すことになってしまいます。パイプ掃除までしたいと言い出しかねません。」


パイプマンは御主人様だけで十分ですわ。


「いや、流石にあれだけ綺麗なメンバーが二人もいるんだからパイプ掃除はしないだろう。しかし、どうしようも無い。この儘では金髪碧眼のお姉さんの裸を見ることが出来ない。仕方がない。ハリカの裸はは差し出すか・・」

「御主人様、心の声が漏れてますわよ。」

「ハリカ、考えたんだが、敵のお姉さんの裸を見るためにはお前を差し出すことに決めた・・・・って、タナカさん?どうしたんですか?ホテルの受付は?」


見ると、ホテルの受付のタナカさんがもう一人の平たい顔族の殿方を連れてこちらを拝見されてます。特に糞野郎に揉みしだかれているワタクシの胸にその視線が注がれているようなのが気になりますが・・


「それより、アスランさんどうしたんですか?捕まっちゃったんですか。エイレムさんは胸を揉まれてるし。リズ、剣を返して縄をほどいてくれないか?」


タナカさんが盗賊の女性にお願いしています。仲間?知り合い?


「え〰、せっかく捕まえたのに、もうすぐポイントだけ奪えたんですよ。田中さんが補償してくれるんですか?」

「タナカさん、仲間だったのか?だったら、リズとベスに裸を見せてくれるようお願いしてくれ。」

「違うでしょ、御主人様。助けてくれと言うんでしょ。」

「裸は見せてくれとお願いできないけど助けるよ。リズ、今回は緊急なんだ。」

「そうだぞ、リズ。緊急だぞ。だから裸を見せろ。」

「アスランさん、緊急でも裸は見せられないよ。」

「何だずるいな。タナカさんはエイレムの裸を覗いたのに。」

「うっ!それ内緒。」

「田中さん、その女性の裸を覗いたんですか?巨乳だから?ホント巨乳好きねぇ〰。」


女盗賊のリズさんはタナカさんが巨乳好きなのを知っているようです。


「リズ、内緒にしてくれ。内緒にしたら、ポイント付けるから。」

「ポイント付けるって敵だから倒したら消えるんだろ?」

「いえ、彼らは人間です。雇ってるんだよ。」

「え、でも倒されたら殺されるかもしれないですよ。」

「だから、高レベルの彼らにお願いしたんだ。もし、彼らと同等レベルのパーティーが来たらその時は盗賊役はしない予定なんだよ。」

「御主人様。」

「なんだ?」

「タナカさんもレベル1ですよ。」

「最弱ですね。」

「ハリカ失礼だぞ!それ俺に対して言ってるんだろ?」

「ハハハハッ、我々とアスランさんやレイラさんはギフトの能力ではその力は測れない設定なんですよ。上位互換ですから。」

「じょういごかん?」

「レイラさんに聞いて下さい。教えてくれますよ。それよりレイラさんはどこですか?レイラさんに緊急の案件があったのですが。」

「あいつなら多分第五階層のホテルで休んでますよ。何でも虫が嫌いとかで。」

「第五階層ですか。鈴木さん行きましょうか。」

「よし、すぐ行こう。」


 そう言うとタナカさんと、スズキさんという二人はレイラ姫のように消えてしまわれました。


「じゃあ、アスランさんこの剣はお返しします。自己紹介が遅れましたがボクはトーマス、トムと呼んで下さい。こいつはボブ。何か大変みたいですね。しかし、アスランさんも田中さんと同じレベル1なんですね。」

「最弱ですね。」

「ハリカ煩い!」

「いえ、違いますよ。そうです。思い出しました。レベル1の人は赤ん坊くらいです。大人でレベル1は明らかに異常なんです。田中さんも言ってたでしょ。ギフトでは測れないって。」

「そうですわね。御主人様もレベル1なのに大変お強いですわね。でも、トムさんもボブさんもベスさんも特にリズさんは高レベルですね。」

「えー、鈴木さんに鍛えられましたから。」

「皆さん、俺一年以内にバラミール領を奪還する予定なんです。その時は雇われてくれませんか。傭兵として。」

「あー、あなたが、あのバラミール領の御曹司でしたか。確か侯爵になられたんですよね。なるほどレベル1だったら当然ですよね。レベル1は強さの証明です。奪還作戦を決行する時はぜひ呼んで下さい。多分数年はこのダンジョンで働いていると思いますので。でもリズとベスの裸は駄目ですよぉ。」


可笑しいです。先程まではレベル1だと馬鹿にしていたのに、タナカさん達もレベル1だと分かった途端褒め始めました。


「もう言いませんよ。あれは敵だと思ってたから。」

「でも、アスランさんは侯爵で、上級貴族なのに全く偉ぶらず僕たちにも普通に敬語で話されてましたし。気さくな方ですね。」

「年上の方にはタメ口では話せないですよ。では、俺達は先へ行きます。では。」

「それでは奪還戦の時にまた会いましょう。」


 ワタクシ達は金髪碧眼の美男美女4人組と分かれ第十二階層を先へと進み始めました。









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