第22話 ダンジョン7 ー 第五階層御宿泊 ー
結局、その後出てきたオクトパスLv.16やスクイードLv.20に対しても、アスランとハリカの剣はその触手にしか届かず獲得ポイントが少なかった。『8:0:4:4』『12:0:4:4』と私はアスランたちの訓練のために手伝わなかったので0だが、アスランとハリカは共に合計8ポイントだがエイレムは合計20ポイントも獲得した。
アスランたちは魔法ずるいと思っていることだろう。
「よし、今日は終了だな。戻るぞ。どうやって戻るんだ?」
「専用の道があるはずよね。」
向こう岸に到着した。
すると第九階層への階段とは別に『戻られる方はこちら』という看板が掲げられており、その先には通路があった。
螺旋状の階段を上がるとすぐに上の階へと到達するようになっていたので、あっという間に休憩所のある第五階層へと到着した。
ホテルの場所は分かっていたのでホテルへ直行しレセプションへ行く。
受付に見た顔が・・田中さんだ。
「あれ、田中さん、夜はここの受付?」
「少しの間だね、ここの担当が夕食休憩で替わってるだけだよ。もう僕今日は上りだよ。」
「そう、初日お疲れ様。ところで、四人部屋あいてる?」
「大丈夫、空いてますよ。」
「何?店員モードの敬語?風呂は部屋にあるの?それとも共同浴場?」
「共同です。混浴ではないですよ。」
「そうなの?残念。」
「僕と一緒に入りたかったんですか?」
「そうそう、私のおっぱいを見てほしかったわ・・・って冗談よ、冗談。」
「え〰、冗談ですかぁ?あれ、そこにいるのはエイレム・デミレルさんじゃないですか。」
「え?ワタクシをご存知ですの?」
「あー、田中さん、私だけでなくエイレムも覗いてたのね。」
「え?ワタクシ覗かれていたんですの?」
「田中さん、おっぱい星人だったのね。もしかしてあの月がおっぱい星?」
「そんな訳ないじゃないですか。おっぱいは好きですけど。ごめんなさい。もう覗きません。主任には内緒でお願いします。」
「主任には、という事は鈴木さんも同罪ね。という事は、今晩無料?」
「レイラさんは、任務ですので当然無料ですよ。他メンバーも一緒です。」
「そうなの?だったら、私の達成ポイント2ポイント付けてもらえない?」
「上と相談してみます。」
「頑張らないとチクるわよぉ〰、覗きの件。」
「え〰〰、勘弁してくださいよぉ〰、今度温泉招待しますから。」
「本当に?」
「勿論ですよ、月の温泉です。この星『座アース』を遠くから見ながら入る温泉は最高ですよ。地球から見る月は30万キロですが、そこから見る座アースは20万キロ、しかも地球より大きいので見応え充分ですよ。」
「え〰〰〰、行きたい。その温泉入りたい。この星見ながら入りたい!」
「混浴ですが・・ (* ̄ ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄ ̄)フッ.」
バキッ!
「な、何するんですかぁ?」
「田中さん入浴禁止!」
「え〰、そんな殺生なぁ、生殺しですよ。」
「私とエイレムが裸で胸をくっつけ合う所を想像して悶々としてなさい。」
「そ、それはそれで・・えへへへへっ・・」
「へ、変態なの?」
「否定はしません。絶対ですよ。絶対エイレムさんと一緒に入りに来てくださいよ。約束ですよ。」
「録画禁止よ。」
「そ、そんな装置はありませんよ・・・」
「フェムトに捜索させるから。」
「わ、わかりましたよ。見ないようにします。」
「録画はするのね・・・」
「我慢します。」
「それで何号室?」
「8号室です。ダブルベッドが2つある4名用の部屋です。」
「それじゃ、私がアスランとね。」
「ワタクシもご一緒したいですわ。良かったわね、ハリカ。ダブルベッド独り占めできるわよ。」
「ぼ、ボクも、一緒にィ。」
「田中さんベッドくっつけても良い?」
「あっ、良いですよ。」
「ところで、カメラついてないわよね。」
「はい、勿論そこには付いてませんよ。」
「という事は付いてるところもあるわけね。お風呂とか・・」
「・・・・」
「何故黙るの、田中さん?」
――――――――――――――――――――
レイラ姫はタナカさんと仲がいいようだ。まるで幼馴染のように話してるし、意味のわからない話も二人には通じている。
俺は心が広いからな嫉妬はしない。嫉妬はしないぞ。くそっ。
でも、あのでかいおっぱいは俺のものだ、ざまみろ、タナカァ!くっはっはっはははぁ。
「アスラン、何笑ってるの?」
「いや、ちょっと・・・俺の心の広さを再確認していたんだ。」
「流石ですわ、御主人様。」
「だろ?」
「ボクは御主人様の心の狭さを感じました。」
「ハリカ、マイナス5ポイントぉ!」
「え〰〰〰〰〰!やっぱり狭いぃ!」
「更にマイナス5ポイントぉ!」
「なんか、御主人様とハリカって、喧嘩ばっかりで兄妹みたいですわ。」
「でも、兄妹じゃないから縁を切ることもできるぞ。」
「え〰、切ったら物凄ぉ〰く心が狭いと思いますよ。」
「う〰ん、それは困った。切れないじゃないか。」
「エイレムのアドバイスどおりです。」
「エイレムなんて言ったんだ?」
「御主人様は心が広いから、それを全面に押し出したら上手くいくと。」
「そうなんだよ、俺は心が広いんだよ。だから切らないぞ。」
「よかったですわね、ハリカ。」
「つまり、ボクは既に正式メンバーになったということですね。」
「いや、それはない。」
「え〰、やっぱり狭いかも。」
「ハリカ、更にマイナス5ポイント。」
「でも、ポイントが貯まっても切らないんですよね。だったら、何ポイントためても構いませんよ。」
「ハリカ開き直るな!更にマイナス5ポイント。」
――――――――――――――――――――
アスランはハリカとケンカばかりしてる。
実は喧嘩するほど中が良い。
「くだらない話ばかりしてないで部屋に荷物置いてお風呂行くわよ。田中さん鍵は?」
「ありませんよ、網膜スキャンです。この、ダンジョンに入った時点でサンプリングしてますので全員入室可能ですよ。」
「何か、このダンジョンだけ文明が進んでるわ。」
「え、実はこの星に文明の持ち込みは制限されているのですがダンジョンは制限がほぼ解除されてます。」
「なるほど、だからダンジョン内は色んな場所にカメラが有るのね。」
「あっ、カメラの制限はここ以外でもありません。監視が仕事ですので。」
「やっぱり、お風呂に監視カメラがあるのね。」
「・・・・」
「フェムト、私達が入っている間の監視カメラを切って。」
『レイラ様の入浴時のみカメラ遮断します。』
「姫、誰と話してるんだ?」
「その内分かるわよ。」
結局、私達は部屋に荷物をおいた後、お風呂へ向かった。
大浴場は男女別で脱衣所も広い。
三人で着替え始めと、ハリカが泣きそうな声で怒り始めた。
「どうして二人は胸が大きいんですか。姫様もエイレムも。」
「それは仕方ないわよ。遺伝子よ。」
「いでんし?聞いたことないですわ。何でしょうそれは?」
「人間の設計図みたいなものね。家を建てるにも設計図が必要でしょ?でも、その設計図のリビングが狭いと出来上がったリビングも狭いでしょ?それと同じ様に、人の設計図が胸小さめだと、出来上がった人間の胸も小さくなるのよ。」
「そんなのがあるんですか?」
「親から受け継ぐのね、設計図を。だから親が大きいとこも大きいということよ。」
「そうですわ。ハリカの母上も小さかったですわね。」
「でも、大きいと肩が凝ったり不都合が多いの。」
話を切り上げ、浴槽に浸かる。
エイレムの胸も私の胸もぷかっと浮かぶ。
「あ〰、胸が軽くなるので肩が楽になりますわ。」
「クソぉ、羨ましぃ。姫様も胸が軽くなるんですか。」
「以前は肩が凝ってたけど、もう凝らないわ。肩がこる事も今後ないし。」
「それは良かったですね。ワタクシにも秘訣を教えて頂けませんか、殿下。」
「難しいわね。考えておくわよ。」
――――――――――――――――――――
くそっ、俺一人で入浴かよ。
寂しいなぁ。
隣はにぎやかな声が聞こえてくるし、大きいとか言ってるが何が大きいのか分かるだけに見てみたい。
クソ、姫みたいに消えれれば、隣までこっそり行けるのに。
糞、女湯。
覗きたい、女風呂。
行きたい、女性専用風呂。
ブン!
あれなにか変な音がしたぞ?
「キャー――ッ!!!」
突然悲鳴が上がった。
な、何だ?何が起こった?
「ご、御主人様どうされたのですか?ここは女風呂ですよ。」
見ると姫とエイレムとハリカが胸を湯船に浮かべたまま恥ずかしそうにこっちを見ていた。
「あ、アスラン。到頭覚醒したのね。だからって、ここ女性風呂よ、こんなところに転移しなくっても。」
「し、しかし、御主人様、巨大ですわ。大きいですわ。でかいですわ。そんなの見たことありません。は、初めてかも・・・」
「エイレム何を・・」
はっ!俺のを見てたのかよ。クソー。隠したが時既に遅し、俺の蛇が大蛇へと変貌を遂げた後だ!既に手では隠せない!!
「あ~~~、ホントだ!ま、幻のツチノコ?大蛇?魔物なの?アスラン、田中さんには勝ってるわよ、絶対。」
「タ、タナカのよりでかいのか?ざまみろタナカ!へへん!俺の勝ちだ!辛酸を舐めろ!・・・・って、見たのかよ、レイラ!タナカのをタナカの大蛇を!」
「いや、見てないわよ。日本人はAV男優でもない限り普通もっと小さいわよ。そのAV男優よりも巨大よ!」
「そうか、俺はその『えーぶいだんゆー』よりもでかいのか。」
「でも、皮かぶってますよ!」
「ハリカッ!マイナス30ポイントッ!!首決定!」
「え〰〰〰〰っ!真実はいつもひとつですよ。姫がいつもそう言ってますよ」
そして、俺は素っ裸で男風呂へと戻っていった。
小さくなった大蛇を隠しながら・・・
あー、まいった。
まさか見られるなんて。
しかし、エイレムはひどい!まさか被ってるとか指摘するし。
き、気にしてることを・・
見ると、酷いことを言われたせいで縮こまってる。
風呂から出て、部屋へ戻るとまだ誰も帰ってきてない。
ベッドの上でゴロンと横になっていると何時の間にか眠ってしまった。
目が覚めたら、下のほうがスースーする。
見るとパンツが脱がされ女三人が手にとって観察していた!
「やめろ―!」
「あら、起きたの?」
隠すために手を伸ばそうとするが手が動かない。見ればロープでベッドに縛り付けられていた。
「俺は、ハリカの一言で傷ついたんだ。今日はピクリともしないぞ。」
「あら、既に大蛇に変貌してるわよ。」
「ご、御主人様、す、素敵ですわ。ジュルっ。」
「何だ、その『ジュルっ』は?」
「ハリカ、ロープを解け!解いたら正式メンバーにするぞ。」
「え、でも首にしないなら正式メンバーも同然ですよ。解きません。」
「こら、姫、レイラ、む、剥くな!く、咥えるな!ちょっと・・・・うっ。」
「あれ、もう出たの?早くない?」
「これは、早すぎますわね。」
「御主人様、早漏ですね。」
「ハリカ、マイナス5ポイント!」
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