第535話 宴 【神の使徒】
「うぇーい!ざぁこざぁこ、お前ら全員俺みたいなか弱い女も襲えないのかよ〜」
「言ったなこの野郎!野郎ども!全員でかかるぞ!」
「「「「おおおぉ!」」」」
クロエが酒を飲みながら男冒険者達を煽り、その煽りにのった酔ってる冒険者達が一斉にクロエに襲いかかっていく。
「あめー!お前も甘ぇ!動きが全然なってねぇ!」
それを少し離れた席から見ている3人。
「お〜、みんな元気だなぁ、あれ何してんの?」
「どうやら、クロエが酔った勢いで「俺と組手をして勝った奴と結婚してやるよ」って言ったのが発端らしいさね」
「あーね、クロって顔が悪いわけじゃないし、それでいて強いから冒険者の男には人気なんだねぇ」
「はしたない……」
ルコサ、ルダ、オリバルの3人は一緒のタイミングでお酒を飲んだ。
「はぁ〜、私酔って来ちゃったさね」
「だってよオリバ」
「今のはルコに言ったんだろ……」
「私は別にどっちも相手しても良いさね、むしろその方が燃えるさね」
「なぁオリバ、もしかしてうちのパーティーの女達ってやばい?」
「やばい……」
「失礼な奴さね、一度歳老いて「あの時あれをしてればよかったぁ」って後悔すると良いさね」
「はいはいお婆ちゃん特有の経験談はいいからいいから」
「むぅ……」
「あれ?そう言えば、ルダがまだここにいるのって珍しいな?てっきりこんだけムキムキな冒険者達が居るから襲いまくってるものかと」
「確かに……」
「何さね!私が所構わずヤるビッチみたいな言い方さね!」
「え!?」
「違うの?……」
「失礼なガキどもさね、私がここに居るのはルコサ、あんたに聞きたいことがあるからさね、それを聞いたら何人か襲うさね」
「あ、失礼だと思っても否定はしないんだ、それで?何を?」
「まず一つ目さね、魔神を倒して魔族や魔物は死んださね?でも生きてる魔物達が居るのはどう言うことさね?」
「あぁ、それは__」
ルコサが答えようとすると変わりにオリバルが答える。
「魔神は死んで【創造】で作られた魔物達は消えた、今残っているのは【独自で進化をした種族】と……『女神』が作り出した魔物……」
「ふむ……お前さんも何か知ってるさね?」
「俺、ルコ、クロ、キーくんはオリジナルの【神の使徒】……特にルコの場合は神性が高いがそれを除けば俺達が高い、だからある程度の情報は持っている……」
「ほう、確かに私はイレギュラーと言ってたさね」
「君の事で例えるとわかりやすいね、君の場合ブルゼになる事は神は想定していなかった、そこで勇者達に討伐されて死ぬはずだったけど、見事生き残ったでしょ?」
「なるほどさね、私はそこでルコサに人間の姿に変えてもらったけど、そのまま魔物だったら今魔神が死んでも生きてたって事さね?」
「ご名答……」
「そういう神の知らないイレギュラーはこの世界のどこやそこやで起こっているって事だね」
「それでもう一つは?」
「女神の作り出した魔物……つまりは魔神が【創造】する前に既にいた存在……」
「どう見分けつけるさね」
「ない……」
「はい?」
ルダのすっとんきょうな返事を無視してオリバルは酒をもういっぱい飲む。
「基本的に俺達が見分ける方法はない……強いて言うなら、今残ってるのがそうだと言うしかない……」
「ふむ、危険性は?」
「今まで通り、魔物は魔物……」
「なるほどさね、さて、と聞くこと聞けたし私は私のお祭りを堪能してくるさね!」
そのままルダはお酒を持って立ち上がって男達の中に入っていった。
「ルコ、言わなくて良いのか……」
「ん?」
「魔神が居なくなった今、現在の世界のバランスが崩れ、そこを狙うのが居るはずだ……」
「『女神』か『アオイ』だね」
「もしも後者の場合……」
「あぁ、もちろんさ、その時は____」
「僕達も含め、勇者達全員で『アオイ』を殺す」
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