第509話 強敵タナトス!
「フシャーーール!」
「はぁぁあ!」
キンッキンッとリュウトのレイピアとタナトスの尻尾の先端がぶつかりあい火花を散らす、お互いにものすごい速さで、突き合いは互角、だが!
「いくよっ!アカネっ!」
リュウトが惹きつけている間に横を陣取ったのはアカネとみや。
「はい!みやさん!」
みやが生成した大きな白銀の杭をアカネが全力で横からハンマーで殴り飛ばす。
「「【電磁砲】!」」
「シッ!?」
雷を纏った杭は雷を纏いながら真っ直ぐ暗闇に線を描きながらタナトスに命中した……だが!
「!?」
本来なら身体を貫くほどのすさまじい威力の杭はタナトスの手によって止められていた。
「シャルルルルル……」
パキパキと杭がひび割れた後、粉々に砕けちり無くなる。
「よそみしてる暇ないぞ!」
「シャーーールルル!」
すぐに状況を元に戻すためリュウトは本気でタナトスを突きにいく。
「アンナっ!」
みやに呼ばれ、アンナは目を閉じていたのを開く。
「えぇ、よく見えたわ」
【マジックシーリング】アンナの適正魔法である。
目を閉じていたがアンナには見えていた……魔力の流れが。
「敵は魔力を自分の身体に触れた瞬間地面に流してるわ、避雷針って言ったら分かりやすいかしら、それが魔法攻撃無効の効果、つまり、【電磁砲】の杭と雷は魔法で生成されたものだから効かなかったのね」
「どういうことー?」
「どういうことです?」
「お子様には難しかったかしら、ユキ、あーたんに乗って転送魔皮紙から薪をリュウト達の周りに出しなさい」
「はいですー!」
「はーい!ユキ〜のってのって〜」
「アカネ!みや!リュウト!2人にタナトスが注意を向かないように攻撃しなさい!魔法はダメよ!直接攻撃!私が強化の魔法をかけてあげるわ」
「「「OK!」」」
リュウトとみやとアカネはそれぞれタナトスに向かって攻撃を始める。
「フシャーー!」
リュウトは凶器の尻尾を惹きつけアカネは凶暴な爪などをハンマーで受け止める。
「えいや、ほいやです」
「シャーーー!」
「!」
しかし、2人で相手をしていても隙が生じてあーたん達に攻撃が向きそうになった所を
「そこっ!」
みやが反応して【土塔】で攻撃をずらす。
「出来たです!」
「いっぱーい!」
気がつくとタナトスとリュウト、アカネの周りには2メートル程の山積みになった薪の壁が出来ていた。
「上出来、さて、と【ファイア】」
アンナは薪に火をつけた。
「シャ!?」
火は5分もしないうちにみるみると広がっていきタナトスの周りには火の壁が出来る。
「これは魔法の火じゃなくて単純に自然の火よ、まぁ違いなんてほとんど変わらないのだけど、知りたいなら魔法学校でも行きなさい、ま、その見てくれじゃ友達も出来なさそうね」
「シャーーーー!」
タナトスは急いで出ようと上に飛ぶが
「おっと!ダメだぞ」
「ダメですよ♪」
「シャ!?」
飛んだ瞬間尻尾を2人に掴まれて落ちる。
「やっぱりその見た目でも魔物は魔物なんだな、効果があるのはその行動で分かった」
「これがもし魔族相手なら痩せ我慢してたかもしれまんしねー」
火は勢いを増していき周囲が熱くなる。
アンナの指示であーたん達はまだまだ薪を追加していき、みやの風魔法で追い討ちをかける。
「ちなみにだが、俺もアカネもまだまだ行けるぞ」
「私達は装備をしてますが裸のアナタなら耐えるのに苦労するでしょうね」
「フシュァァァアアア!」
リュウトに向かって尻尾で攻撃しようとするが避ける。
「おっと!もう不意打ちは効かないぞ、たしかにお前の攻撃は俺たち1人1人と同じくらい強力だが、焦ってる攻撃を素直にくらいほどお人好しじゃないんでな」
「そういう事です、何戦でも付き合ってあげますよ」
「フシャァァァア!!!」
再びリュウトとアカネはタナトスを相手に攻撃を繰り返す。
タナトスも弱いわけではない、ここまで成長したリュウトとアカネの攻撃を1人で対処しきれている時点で化け物だ。
「フシュァ!」
「隙あり!」
だが、周りの温度があがるに連れてタナトスの動きも鈍くなり最後はリュウトのレイピアに脳天をぶち抜かれた。
「フシュ………シュシュシュシュシュ!」
「うわ、気持ち悪い」
タナトスは死ぬ前のゴキブリの様にバタバタと暴れ息を引き取った。
「よっと」
リュウトとアカネはその場からジャンプして火の壁を超えてみんなの所に戻る。
「どうだった?私の作戦、効いたでしょ」
「あぁ、逆キャンプファイアーとでも名付けるか?」
「ファイアーウォールの方がいいんじゃないかしら?」
「パソコンの中にありそうな名前だな」
「?」
「ユキもよく頑張ったぞ、偉い」
そう言ってユキの頭を撫でてあげるリュウト。
「にへへ、ユキ偉いです!」
「リュウトさん!私も!」
「ますたー、あーたんもー」
「リュウトっ」
「はいはい、みんなよく頑張りまし____!」
みんながふざけてそんなこと言うので全員撫でてやろうかと思ったその時、リュウトに“あの魔法”の感覚が来た。
「どうしてだ……」
「?」
「リュウトっ?」
「…………………【武器召喚】……………」
リュウトが呟くと天から黄金のランスが落ちてきて地面に刺さる。
「…………」
「これは、神の武器ですね?どうして今?タナトスは倒したはずじゃ……」
「そうね……来るにしても遅すぎるわ……」
リュウトはランスを取って意味を考え……1つの答えを導いた。
「……まさか!」
「リュウトっ?」
「みや……確か『分析』した時、こう言ったよな?」
「?っ」
「“種族名”が“タナトス”だと……」
突如、ウッドリーワンドが作ったドームの外から何匹も何匹も“タナトス達”が襲来して来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます