第505話 先手は有利に

 《00:00》


 「……」


 「流石にバレてたみたいだね、アニキ」


 遠くに見える神の島の海岸には異様に白い肌の人間に似た魔族と見たこともない魔物が夥しい数スタンバイしていた。

 ジュンパク団の何百倍と言う数だ。


 「……コソコソするのは趣味じゃない、やってやろう」


 「流石アニキ!正面突破って事だね!」


 「……そうだ」


 山亀……ユキナが近づくに連れて魔族と魔物は魔法陣を展開していく。


 「へぇ……神の島の魔物は魔法を使って来るんだ」


 「……あちらもやる気らしい、射程に入れば撃つつもりだろう」


 「ふーん?ミー達を殺す気満々だなぁ、恐いなぁ」


 ジュンパクは呑気にそんな事を言いながらヒロユキを抱きしめるが、顔は笑っていた。


 「……フッ……ジュンパク、みんなに通信で知らせろ」


 「了解♪」


 ヘラヘラした顔は通信魔皮紙を取り出した瞬間変わり全員に声を張り上げ


 「{てめーら!準備はとっくに出来てるなぁ?作戦αを実行する!暴れんじゃねーぞ?きゃっハッハッハ!}」


 5分後……ヒロユキは腕を組み、ひとことこう言った。


 「……行け、ユキナ」


 合図とともにヒロユキ達の視界は海の中になる。

 山亀、その巨体が潜水したのだ。




 その光景は当然、魔族側にも見えており、混乱した。



 __そして、



 「!!!!!!!!」


 ユキナはその巨体を海面に現しイルカの様に飛んだ!


 「いやっほおおおおおう!」


 「……」


 テンションの上がったジュンパクの声が響く。


 ザッパーーーーーーン!とユキナが海に着地すると大きなビッグウェーブが出来て待機していた魔族と魔物達を飲み込んでいく!


 「そんな所でゆうちょに待ってるからそうなるんだよ、もっと頭を使いなよ♪」



 完全に陣形を崩された魔族達は混乱している。





 「……これで先手は打てた、次だ」





 

 

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