第497話 最後の始まり
《魔神城》
「来たか勇者よ」
「来たぞ、魔神!」
「……あぁ」
魔神はヒロユキとリュウトと後1人隣にいる人物を見る。
「ほう、お前が其奴の想い人か……元『魔王』」
「リュウトっ」
みやは魔神から見られて怖気付き、リュウトの袖を掴む。
「大丈夫だ、みや」
リュウトは頭を撫でて落ち着かせ言葉を返す。
「ふん、魔神と言う割には予想外が1人いるくらいでえらく気にするじゃないか、もしかしてビビってるのか?」
「口を慎め何も知らぬ勇者よ、我がお前達に恐怖する必要がどこにある?ここまで来たのは褒めてやろう」
「お褒めに預かり光栄だ、勇者としてお前を倒し、世界を救う!行くぞヒロユキ!みや!」
「……あぁ」
「うんっ!」
「全力を出してこい、勇者!」
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《グリード城》
『キャハッ♪やるじゃない本気出してないとは言えここまで出来るなんて』
壁はボロボロにひび割れ、城は崩壊寸前。
呪われた騎士達の死体が散乱している中、無傷で黒い鎖に拘束された女神は笑いながら話す。
「そうだね……君が本気を出さない、いや、出せないから出来た事だ」
ボロボロの身体と白い神父服のルコサは息を切らしながら女神を見ながら言う。
「はっ……こんなに全力出しても殺せねぇなんてつくづく『女神』ってのは規格外なんだな」
「だけど、俺達の勝ち……」
クロエとオリバルも全力を尽くしたのかうつ伏せで倒れている。
「タソガレ、立てるか?」
「はい……キー…ル様」
キールはタソガレに肩を貸して立たせる。
『で?どうすんの?私をこんな風に拘束した所で時間が経てば解けるのは自分でもわかってるんでしょ?』
「分かってるさ、だけど俺たちには時間が必要だった」
『ふーん、私の注意を逸らして見させたくなかったものでもあったのかなー?』
「ご名答、そして君はその拘束が解けるまで『神の目』を使えない」
『…………』
「今までで1番キツかったなぁこの命令……『女神』を拘束しろだなんて……まぁでも次で最後の仕事だ、みんな行くよ」
ルコサは世界地図を取り出して行き先を指定し、神の使徒全員とタソガレを転移させて消えた。
それと同時に城の崩壊が始まり崩れゆく城の中
『精々足掻きなさい、どうせ最後は決まっているのだからキャハッ!きゃははははははははは!』
『女神』は笑いながら瓦礫に埋もれていった。
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