第493話 たまこvsレナノス

 《六英雄拠点》


 「……」


 「目が覚めたか、たまこ」


 「ここは〜……?」


 「ここが我ら六英雄が使っていた拠点だ、もっとも俺達が六英雄になった頃はもう平和だったから何年も使われていなかったが」


 「……」


 硬いベッドの上でたまこは手足が拘束されている。

 

 「不思議なものだな、昔は逆だった……俺がベッドの上にいて君が拘束していた」


 「あの時はアナタがお兄さんに復讐しに行くとか言ってたからよ〜」


 「ハネトン師匠に修行をつけてもらう前の俺は、全てを憎んでいたからな……」


 「今のアナタの目も少し昔に似ていると思うけど〜?」


 「そうか……俺もまだまだ修行が足りないな」


 「……」


 「……」


 「…………幻覚を見たわ……とても幸せな……」


 「解き方は知っているだろう」


 「えぇ……でも、どうしても見ておきたかったの」


 「危険性は知ってると思うが?見続ける意味の」


 「…………アナタと家族になっている夢よ」


 「……」


 「幸せだった、子供もいて殺しとはかけ離れた普通の生活」


 「俺には子供は出来ない、それは君が1番よく知ってるはずだが?」


 「…………もう昔の私と違うのよ〜?アナタのDNAを分析して精子を作るくらい出来るのよ、それに今の魔法機械の身体だって時間をかければ元の姿にまで__」


 「俺はこの機械の身体を恥じた事はない」


 「……」


 「俺は機械だ、そう……生き物を殺す機械……自分の腕を見るとそれを実感する」


 「でも、そんな機械のアナタは私を殺さなかった」


 「……」


 「ねぇ、本当は嫌なんでしょ?暗殺も戦いも」


 「……」


 「何がアナタをそうさせるの?」


 「……」


 「教えてよ!」


 「…………すまない」


 「そう……なら仕方ないわ」


 たまこは自分の拘束を解く。


 「……」


 「覚悟してね〜、恋する女の子は怒らせると怖いのよ〜」


 「その構えは!」


 


 たまこは小型のナイフ……医療で使うメスを2本逆手持ち。


 かつてのレナノスの師匠の構えをした。






 「独身ヤンデレ程恐いものは無いのよ〜?」








 

 


 

 

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