第465話 【暗殺神】レナノス

 

 レナノスは一瞬で消え。


 「……っ!」


 気がつくとレナノスはヒロユキの剣を上に弾いていた。


 「アニキ!」


 すかさずジュンパクが鎌ですぐ隣に来たレナノスを斬ろうとするが


 「甘い」


 小刀で受け止められ火花を散らす。


 「ジュンパク!そのまま!」


 ユキが炎魔法を使うと大きな火柱が上がりジュンパクとレナノスを包み込む。


 「仲間1人を生け贄……ではなさそうだな」


 「ご名答!ユキ姉貴の最大弱点はその効果範囲、今までミー達が邪魔で撃てなかったけど全員極限まで炎耐性を装備につけることで__」


 「話が長い」


 レナノスは火の中から後方に飛んで抜け出す__だが


 「……」


 着地する瞬間にヒロユキが先程打ち上げられた太刀を掴んで上からレナノスを斬りかかった。


 「良い連携だ」


 レナノスは腰についているもう一つの小刀を抜いて投げる。


 「……」


 小刀はヒロユキの頬をかすめてそのまま天井に刺さり、降りてきたヒロユキの剣を下からもう片方の小刀で受ける。


 「……」


 「流石は魔王を倒しただけの事はある、だがこんなものでは魔王を倒せない……何か隠しているな?」


 レナノスは余裕そうにヒロユキに話しかける……事実、ヒロユキが太刀に力を入れてもレナノスの小刀はびくともしないのだ……それほどの力の差……


 「…………『グラビヴィティー】」


 「!?」


 ヒロユキがそう呟くと一気にレナノスに『重力』がのしかかってくる。


 「っ!……これは……!」


 「…………」


 先程まで有利だったレナノスだが予想外の出来事が起こり逆転していく。

 

 「(魔王を殺せばその力がつかえる様になっているのか……侮れないな)」


 「……!」


 レナノスはヒロユキの影に入り込んだ。


 「アニキ!」


 ジュンパクが駆け寄ってきてヒロユキと背中合わせになる。


 「これがユキのアネキが言ってた【影移動】だね」


 「……あぁ」


 「一度入られたら最後、出てくるまでこっちから攻撃できない」


 「……だが【光源バースト】のおかげでこのドーム内の影は俺たちだけだ」


 「あれ凄いよね、【光源】に大量の魔力を注ぐとひとつ上の段階になるなんて気付かなかった……流石ユキ姉貴!略してユキ姉!」


 「……ジュンパク、喋るのはいいが気を抜くなよ」


 「任せて、命に代えてもミーはアニキの背中を守るよ、アニキの信じるミーを信じて」


 「……あぁ」


 ヒロユキ達は下の影を見ながら警戒する。


 




 ____だが甘かった。






 影は“光の角度によって上にも出来るのだ”





 「っ!、ヒロユキさん!ジュンパク!」



 気付いたのは同じく下を気にしていたユキ……彼女は違和感を感じて周りを見回したらもう既に来ていたのだ。



 「“上です!”」



 「「!!!」」



 ユキの声で上を見上げた2人__


 「もう遅い」









 ____次の瞬間、2人の首は斬られ地面に落ちた……








 


 




 

 

 

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