第464話 一緒に・・・・・・
「……!」
ヒロユキ達が黙っている中、影が不気味に蠢き出す。
「なるほど、俺は誘い出された訳か……兄者が気付いたのも何かしら関係があるのか?」
「っ!」
たまこはその人物を見て泣きそうになるのを抑える……前に現れたのは六英雄の暗殺神……レナノスだった。
「ヒロユキさん!」
「……あぁ」
一言応答したヒロユキは自分たちパーティー及びレナノスを囲む様に“地形を変形させていく”
「ほぅ?」
レナノスは周りを見ている間に巨大な土のドームが出来た。
「【光源バースト】!」
ドームのせいで月明かりすら無くなって真っ暗な中、ユキは小さな太陽と呼べる程の光を放つ【光源】を打ち上げた。
「みなさん眩しいでしょうが我慢してください!相手は影を使ってきます」
「フフッ、ようやくミーの眼帯を外す時が来たようだね……」
「「「…………」」」
「え!?何みんな「忘れてた」みたいな顔して!?」
「……すまん」
「アニキ!?」
「とにかく!これで夜に最強になるアナタの力はほとんど封じました!出来ればこのまま戦いたくないのですが、どうでしょう?」
「俺の能力まで知っているのにその提案を持ち出してくるのか?」
「えぇ、アナタが冷酷非道な獣人だとしたらもう私達の首はここに無かったでしょう……」
違う……ユキは知っていたのだ、ヒロユキ達の中に居る“たまこ”の存在で助かっている事を__
その人が居なければレナノスは問答無用でみんなの首を刈っていただろう……
「ふん……兄者が俺を見つけれたのも貴様の仕業だな?」
「はい、アナタは自分の命日にあの道場で1人でバンガさんが瞑想しているのを毎年見に来ているのを利用させていただきました」
「なぜ知っている?俺個人しか知り得ない事だぞ?」
「どうしてでしょうね、本人が話したんじゃないですか?」
「……君と話す事はもう無さそうだ……それで」
レナノスはたまこを見る。
「君が救難信号を発射したのか?」
「…………えぇ……」
「解っているのか?」
「……」
たまこは無言で頷く。
「そうか……君は俺の命の恩人だ、出来れば戦いたくない、此方に来い……たまこ」
「…………迷ってたのだけど……」
「?」
「私達、一緒に戦えないかしら〜……」
「戦う?だれと?」
「…………魔神」
その答えを口にした瞬間、レナノスの雰囲気が変わる。
「君は何を言っている……」
「私達が力を合わせれば魔神に立ち向かえ__」
「黙れ!」
「っ!?」
大きな声の言葉とともに来る威圧感。
その場にいる全員が“逆鱗”に触れたと確信した。
「魔族が……世界が今、そこの者達におびえている、生き残った少数の者達が洞窟に身を潜め、自分たちが滅ぼされると毎日怯えているのだ!」
「そ、それは」
「それはなんだ?魔族の中には人間を滅ぼそうとしていた奴も居た、人間で遊ぶ者もいた……だがそう言う者達は世界から見ればごくわずかの存在……むしろその者達は魔族の中でも犯罪者として扱われて話し合いのもと同じ魔族が裁いていたのだ!」
「「「……」」」
それを聞いてヒロユキ達は複雑な気持ちになる……だが、何かが違う気がして納得ができない。
そう思うのは遅すぎたのだろうか。
「……」
「構えろ、お前達は世界を壊しすぎた」
レナノスが小刀を構えたのと同時にたまこ以外全員戦闘態勢に入った。
「影が少なくとも俺はお前たち如きには負けんぞ」
レナノスの手の紋章が光出してヒロユキパーティーとの戦闘が開始された。
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