第454話 エス誕生
「ぐ、ぁぁぁあああぁぁああああ」
痛い!苦しい!身体中の芯がハンマーで殴られ続けて粉々にされている気分だ!
「拒否反応です、【神】の管理下にあるのでそれを書き換えているのでしょう、それがあると言う事は第一段階の『女神』の力に適性が無いと言う最悪の事態は避けれましたね」
ぐ、ぁ……くそ!苦しみで何も考えられない!
「…………」
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!ぐわぁああああああ!」
痛み、苦しみ、地面で転げ回る……熱い!暑い熱い熱い身体が暑い!
鎧を!脱がないと!
「あぁぁぁぁぁぁああ!痛い!苦しい!ぁぁぁあ暑い暑い暑い暑い暑い!」
「おや、鎧が脱げないんですね?手伝ってあげましょう」
バキバキと鎧が粉々に砕けた!どうやったかなんて知らない!まだ暑い!苦しい!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ…………がぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
全身の肌を裂いて全身から血が吹き出る。
____死ぬ。
先程まで熱かった身体が急激に冷めて行き、目の前が脳が真っ白になっていく……
あぁ……俺は死ぬんだな……
…………………
……………
……
____突如、僕の頭の中に【知らない記憶】が入ってきた。
ショウが食べられた後、身体の動けない俺を食べはじめるメルピグ。
その場には35番さんは居ない……僕たちの殺される光景を見て怒り狂うヒロユキさんが見たこともない刀を出して一撃でメルピグを葬り去る姿。
そして1人で泣くヒロユキさん……
知らない……僕は……知らない、この記憶を……だが記憶は知らないが……“コレが何かは解った”……コレが……
____【神の用意していたシナリオ】
心の底から怒りが湧いてくる。
僕は__俺は神に見捨てられた。
俺だけじゃ無い、俺の親友も見捨てたのだ!
俺達は何だったんだ?今まで生きてきた意味はなんだ?
こんな……こんなのを許せるわけないだろ!
「くそがぁぁぁぁぁあああああ……うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
吹き出していた血が固まり始め身体にまとわりついていき
____そして
「…………」
「おめでとうございます」
気がつくと俺は見たこともない漆黒の鎧を着ていた。
「…………お前達の目的はなんだ?」
「私も、アナタと同じです神に見捨てられるはずだった存在」
「……そうか……」
「失礼ですがアナタのお名前は?」
「名前……」
ショウ……お前の事は忘れない、一緒に行こう……
「『エス』だ」
「では、エスさん……今後の事を話す前に私達のボスに挨拶を……」
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《クローバー山 山頂》
「エス!取れたよ!これでクリアだね」
「……あぁ、そうだな」
メルキノコを採取してこっちに来るアオイ……いつ見てもどこで見ても可愛く、美しい……俺はこの人の為に命を使う。
「根本は残してきたから多分また生えてくるしメルピグは痺れさせて死んでないと思う!……大丈夫だよね?」
「あぁ、大丈夫だ」
たとえ、世界にお前が見放され様とも俺だけはお前の味方であり続ける。
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