第451話 戦いたくない!
「っ!?」
目の前の黒い大きな巨人に対して僕は武器を構える。
「なるほど、つまりコロシアムって事か!」
目の前の巨人は奴隷No.5と言っていた、この奴隷と僕を殺し合ってる所をどこかで客と見ていて楽しんでるって事だろう!
「行くぞ!はぁぁぁあ!」
僕は剣を構えて巨人に走って行く!
足装備に魔力を流しても走るのは早くならないのは僕が逃げた時のことを考えてだろう。
この体格差!パワーでは圧倒的に負ける!最悪の場合また限界突破を使うことになるだろう!
その巨大な手で殴ってくるか?それとも握りつぶす?
様々な行動を脳の中でイメージしながら詰めて行く。
____だが、黒い巨人は予想外の行動を取った。
「ま、まつど!ひぃぃいい」
「な!?」
黒い巨人は片手の手のひらをこちらに向けてまるで僕を怖がるように尻餅をついたのだ!
「くっ!」
咄嗟に急ブレーキをかけて止まる。
「お、おでは嫌だど!た、たたがうなんて!」
「????」
どうなってるんだ?
「お、おい」
「ひいいいぃゆるしてど!」
「?????」
{奴隷No.5番、聞こえなかったのか?}
「む、むりだど!おでは……おでは!」
{…………}
「ぐ、ぁぁぁああああ!」
黒い巨人は地面を転げ回り苦しみ出した!
「!?」
{失礼、奴隷が言う事を聞かないので呪いが発動したみたいです、やる気を削いですいませんね、少々お待ちください}
「あぁぁぁあが、ぐ、ぁぁぁああ!」
「お、おい!やめろ!」
「いだぃ!いだいどおおおお!」
{………………}
「が、は……はぁはぁ……」
{どうです?やる気になりましたか?}
「い、いやだ……」
{そうですか……では}
そう言うと1つの映像が空中に大きく映し出された。
「?」
映像には1匹のベルドリが映し出されている。
「オイドン!?」
どうやらこの奴隷に何かしら関係あるようだが……
{最後の警告です、今から3つ数える……その間に目の前の人間を殺しにかかれ、でなければお前が殺せなかったコイツを殺す}
「な!?ひきょうだと!」
{お客様を待たせるな……3}
僕には立って見ていることしかできない。
どんな事情であったとしてもこの巨人と僕の関係は状況は変わらないのだ、殺すか……殺されるか。
「ぐ……」
{2}
「あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
ドスドスと地面を抉りながら此方に走ってきた!来るか!上から!
「っ!」
「…………」
咄嗟に剣を両手で上にあげて受けようとしたがギリギリで拳は止まっていた。
「……?」
「お、おでにはやっばり出来ないど!」
{はぁ……では、望み通り、コイツは処理します}
「!?、やめるど!」
{________!!!!!!}
「オイドンんんんんん!あぁぁぁぁ!あぁ!あぁぁぁぁあ!」
なんて酷い事を……映像のベルドリは魔法で焼かれもがき苦しみながら生き絶えて行った……
「あぁぁぁぁぁぁぁガァァァァァア!」
叫ぶ、と言うより吠えると言うのが正しいだろう、巨人は『悲しみ』『怒り』そして____
「っ!?」
僕を振り向き様に殴ってきた!
咄嗟にガードは間に合ったが後ろに衝撃で飛んでいってしまう!
「全部!……全部ぶっ壊してやる……ガァァァァァア!」
「結局、攻撃してくるんじゃないか!」
先程ガードした時、腕力や筋力の補助魔法は組み込まれているのは確認できた、無いのは早さだけだ!
「ウホッ!ウホッ!ウホッ!」
「っ!おりゃ!」
深く重たいパンチが連続で来るのを何とか捌いて行く。
おかしい、明らかにさっきと雰囲気が違う。
こんなに攻撃的には見えなかった!隠してたのか本性を!
{『獣化』本来獣人が持っている本能を引き出している状態です、ただこの状態になるとどうやら脳まで獣になるみたいで操るには女神様の……まぁいいでしょう}
「そう言う事か!」
「ガァァァァァア!」
{では、ごゆっくりと}
僕は単純な力任せの攻撃を交わし太ももを斬りつける。
「ウホッ!?」
「悪いけど……僕も僕で事情があるんでね!」
「ウガァァァァア!」
さっきの一部始終を見る限りこの獣人は良い人だ__だけど、僕も僕で死ぬわけには行かない!
愛してる人を救う為にも!
僕は生きてここを出てみせる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます