第444話 整理整頓!これから!


 「ここまでで質問ある人!」


 そう言うと見事に3人手を上げた。

 うん、そうだよね、とりあえずお酒を飲んで……っと、捌いていきますか!


 「はい、じゃぁルカ」


 「その話じゃと、今回の件で神はワシ達の敵になったのじゃな?」


 「確かに、今回初めて僕はこの服の【糸』を通して神に身体を操られた、普通考えたらそうなるよね」


 「のじゃ?」


 「だけど、こうも思えるんだ……どうしてもそうする必要があったんじゃないかって」


 「つまり、ロビンとやらを殺す必要があったと言う事なのじゃ?」


 「うん、それには【勇者】と【魔王】が関係してると思うんだ」


 「ふむ?」


 「あれ?そういえば僕が異世界から来てるのって知ってたっけ?」


 「今更なのじゃ」


 「今更ですぞ」


 「今更だな」


 「お、おぅふ、話が早くて助かるよ、僕の世界では【魔王】を倒すのは毎回【勇者】なんだよね」


 「お主の世界の勇者とはどんなのだったのじゃ」


 「あ、ごめん、ゲームの話なんだけど……」


 「ゲーム?なのじゃ?すまぬが人間になってそこら辺はまだ疎いのじゃ」


 「ゲームと言うと、ミクラル王国であるチェス」


 「チェスあるんだ」


 「アバレーで言うと将棋みたいなものですぞ?」


 「将棋あるんだ……まぁよくよく考えると僕もカジノで奴隷してたこともあるし……あ!テレビゲームって誰か知ってる!?僕この世界に来て調べたけど全然なくて……」


 「……」


 「……」


 「……」


 「あ、知らないのね、えーっと、勇者の話だよね、僕の世界では……」


 あれ、ここまで言って思った……これって失礼じゃない?

 そもそも俺の世界は魔物達はいなくて勇者なんてゲームでしかいない。

 そんな説明を聞いたら怒るのではないか?今更だけどそんな気がする。

 うーーーーーーーーーーーーーん……うーーーーーーーーーーーーーーーん。





 「僕の世界の勇者は将棋ゲームに例えると王だね!周りのみんなを動かして時には自分が前に出たりしてたんだ!」


 うん!我ながらチグハグだな!


 「なるほどなのじゃ!」


 あ、この人納得してくれた。


 他の2人は何となく理解しようとしてくれてる……まぁ異世界の話なんて今みたいに嘘つき放題だからなぁ……あんまりそこらへんに触れないようにしよう。


 「それで、それとこれと何が関係あるのじゃ」


 「さっきの説明からすると王は勇者、そして相手の王は魔王、王は王でしか取れないとしたら【勇者】である僕を神は駒として操る必要があった」


 「なるほどなのじゃ、でも結局トドメを刺したのはお主じゃないのじゃろう?」


 「うん、それでさっきのムラサメさんの話だけど、もう1人の『僕』、つまり『女神』が抵抗した、駒の僕をもう一つの手が操作したんだ、それが異常事態……神はもう一つの手を打ったんだ、それが【神の一撃】」


 「【神の一撃】……ほほう」


 なんか自分で言って恥ずかしいネーミングだな。


 「全部のルールを無視した一撃を出すほどの異常事態だったと考えると敵と認識するのはちょっとね……それに本気で敵なら僕の【糸』を完全に消すはずなんだ、だけど今も微弱にも力を貸してくれてる」


 「ふむ、なるほどなのじゃ」


 「まぁこんなとこかな?理由は」


 「分かったのじゃ」


 「それじゃぁ、ムラサメさんは?」


 「はいですぞ、まず私の油断により我が君のお手を煩わせてしまい申し訳ありませんでしたですぞ」


 「ま、まぁあれは仕方ないよ龍牙道場の究極奥義を使うほどの人だから技のキレも何もかも完璧、何が来るか知っていないと対処もできないよ」


 うわぁ、なんか偉そうだな俺、でもムラサメさんの場合、ちょっと偉そうに言った方が納得してくれて話がスムーズになる。


 「はいですぞ……それで、私達が気絶、ルカ殿が瀕死状態の間、我が君は戦っていた……その時、『女神の魔法』を使ったと言ってたですぞ?」


 「うん……」


 アイさんと戦っている時、俺は自分の中の『怒り』が抑えきれなくなった。

 負の感情を食べると言っていた女神は少し遅れて食べてくれた……あれはどう言うことか分からないけど怒ったのがトリガーになったのは明らかだ。


 「その魔法は今でも使えるのですぞ?」


 「うん、使える、あの時の感覚は覚えてるよ、僕の適正魔法『魅了』を使う時と似た感覚だったからね」


 「そうですぞか、確か能力は」


 「自分と同じダメージを相手が意思してダメージを負うって奴だね」


 「ふむ、ならばあまり使う事がないかもしれませぬですぞ」


 「ん?どうして?」


 「なぜなら……今度からは油断せず私が絶対に我が君を守るからですぞ!」


 「う、うん、頼りにしてるよ」


 「おおー!我が君!そのお言葉……失敗した私にもう一度言ってくれるとはですぞおぉぉ!」


 あぁまた号泣してるなたぶん。

 仮面でわかんないけど。


 「えーっと、最後にエス」


 「俺から聞きたいのは一つだ、これからどうする?」


 これから、か。

 ロビンの話を聞いている時からそれは決まってる。

 

 「うん、それはもう決めてる」









 「僕達は魔神に会いに行く」










 


 

 

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