第386話 焦るアオイどたばたでピラミッド内部潜入
「まずい......」
竜巻が自分達の兵を巻き込み血で赤くしながら此方に近づいてくるのを見ながら俺はサラサラの金髪の髪を振り乱し、兵隊達を気絶させていく。
「みんな解ってるの!?あの魔法は君達も巻き込んで......」
「しねええ!」
「この!バカちんがぁ!」
ダメだ!こいつら聞いてない!くそ!
相手も相手で一向に攻撃の手が緩まない。
少しでも気を抜くと俺はあの剣や槍に貫かれて死ぬ!
「くそくそくそ!」
死ぬ!死んでしまう!
雨のように攻撃されているせいで通信もする暇がない......つまり自分で何とかするしかない!
考えろ!考えろ!俺!
襲い来る敵を気絶させ、糸で拘束しながら竜巻との距離を取って行こうとしたがまったく進まない。
「退いて!邪魔!」
尚も迫り来る竜巻を背中にして俺は身体中から冷や汗が出る......例えるなら下校中催して周りにトイレが無い時みたいな!
ってそんなこと考えてる暇じゃねぇ!
竜巻はもうすぐそこまで迫ってきている!
俺の手持ちの魔皮紙ではあれは止められない!
万事休すか!
その時だった。
地面から少し青い透明な'クリスタル'が次々と出てきて俺の周りに居た兵達を串刺しにしていく。
「な、なんだこれぐぎゃ!」
「ガッ」
「に、にげ」
目の前で串刺しにされていく兵達の血を俺は浴びながらその光景に耐える。
「た、助かった......けどグロすぎ......」
流石に贅沢な感想だと思う、一歩間違えたら槍などで刺されて内蔵撒き散らしてたのは俺だったのだから......でもやっぱりグロい!
尚もクリスタル串刺し刑(勝手に命名)は止まらず兵士達を減らしていき、気が付くと真っ直ぐ一つのピラミッドまでの道が出来ていた。
「ユキさんかな?それともキールさん......?でもあそこに入らないと竜巻にやられる!」
俺はそのピラミッドに向かって全力で走る。
途中俺を魔法などで攻撃しようとした兵も魔法陣を展開した時点で地面から貫かれ絶命していた。
最後にピラミッドの中に滑り込みながら入り入り口を振り向くとクリスタルで塞がれていた......これで外から兵達が来ることはないけど......
「あれ?これって僕も閉じ込められてね?」
取り敢えず竜巻からは逃げれたけど......ま、まぁどちらにしろ俺に取れる行動は一つしかない。
「このピラミッドを調べるか......」
それが本来の目的だし、もしもここに魔王が居るなら......
「全員に通信して時間を稼ぐ......か.....」
【獣人化】してるおかげでピラミッド内部が暗くても良く見えている......敵が居ないとも限らないので周りを警戒しながら俺は奥に歩き始める。
......それにしてもあのクリスタル......どこかで見たことある気がするんだよなぁ......
うーん、なんだっけなぁ......
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