第383話 アオイサイド

 遠くの方で大きな隕石がピラミッドに衝突して粉々に砕け、周りにいたアヌビス族が吹き飛ばされるのを隅に見ながら俺は真正面から軍に突っ込んだ。


 「はぁぁあ!【魂抜き】!」


 とりあえず一人!そしてお前も甘い!二人!


 「おらぁ!」


 「無駄ぁ!」


 長槍を突いて来たところを俺は【流し】で避けそのまま膝で顎を蹴り飛ばし空中を回転しながら体勢を整える......なんで出来るかって?

 この装備のおかげよ!......あとあの日以来ゲームのようにイメージしたらそれ通りに動いてくれる。

 

 「それに残念だったな!このスカートは魔法による重力で空中で回転しても俺のパンティーは見えないのだ!」


 「は?」


 シーーーーンと周りが少し静かになる。


 「あれ?僕時間停止能力なんて使えたっけな?」


 「何訳のわからない事言ってるんだ!やれ!」


 「うわ!ちょ!」


 次々と魔法の攻撃が俺に向けて飛んでくる。

 今纏っている【ファイアードーム】はユキさんが改良したもので魔法で強化されたとしても矢や投石、大砲の弾などは瞬時に焼き消すことができるが遠距離魔法は通してしまう。


 「ほっ、はっ、とぅ!見える、見えるぞ!私にもなんとやら!」


 フハーハハハ!だが俺からしたら○トリックスの様......もっと言うなら何となく感覚でここに来るって言うのが解る!


 「酔ってテンション上がってる俺を止められると思うなよ!」


 魔法攻撃を避けながらもう一度軍に突っ込むと仲間に当てない様にか全員で俺を斬り刻もうと襲いかかってくる。

 あぁもう!大勢が俺を取り囲んで剣とか!軽くトラウマ思い出す......


 「剣を俺に向けるな!全部はたき落としてやる!」


 剣が一斉に振り下ろされる。

 俺は体勢を低くし一人の股から抜けそのまま首トンで【魂抜き】をして戦闘不能にしてそれから出来た隙を使って次の兵士を戦闘不能にする。


 「ほん、と!、こんな、大量。の!兵士、達、に!小、人数、でかかるのが、おかしいよね!」


 文句を垂らそうと思っても次々と攻撃が来るので途切れ途切れになってしまうがコツが掴めてきて一人一人確実に気絶させてく。



 「くそ!なんで攻撃が当たらないんだ!」


 「装備で身体能力があがってるはずなのに!」


 「どうしてだ!くそ!くそ!」


 うるせぇ!こっちだって本気で普段使わない頭フル回転させてるんだ!

 そっちこそ俺を攻撃するのを諦めろ!


 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」


 このセリフ言ってたあのキャラの気持ちわかるわ......

 テンションだ!テンションをあげろ!

 もうここまで来たらやるかやられるか!


 「そろそろ、か!そりゃ!」


 俺は手に繋いでいた【糸』に魔力を通すと反応して兵士達に絡まらせる。


 「な、なんだこれは!」


 「くそ!切れねぇ!」


 完成!簡易的な【目撃縛】......糸はよく考えれば抜けれるし人為的に作り出してるからあそこまで強力じゃないけど逆に適当に絡まってるから程きにくいぞ。


 「後は!」


 絡まりからどうにか脱出しようとしてる集団尻目に俺は糸を持ってどんどん敵の攻撃を避けながら円上に周り。


 「まとめる!」

  

 【糸』にまた魔力を流して何十人かまとめた......例えるならコンセントが長かったら途中ではりがねで囲ってキュッてするあれみたいな感じ。


 「まだまだ行くぞぉ!」


 果てしなく先が遠い俺の闘いはまだまだ続きそうだなぁ......


 


 目指すはピラミッド内部!




 

 

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