第332話 宝の地図

 《モグリ邸》


 みんながワイワイ外の庭で遊ぶ中、金髪の少女二人は端の影で何やらヒソヒソと話している。


 「いいですか!みーちゃん!このたからの地図は本物です!」


 折り畳まれた魔皮紙を見せながらシーッとジェスチャーをするユキちゃん。


 「本当かなぁ......」


 ユキより少し歳上のミイは苦笑いをしながら話し半分に聞いている。

 この二人はお互いにおなじ人物を憧れてるが故に気が合うことが多いのでよく一緒に遊んでいるのだが。


 「絶対絶対ですっ!」


 このように大体ユキがやりたいことをやるのでそれに付き合うのだ。

 今回は宝の地図ごっこというやつだろうと思っている。


 「わかったよ、でどこにあるの?」


 「ここです!」


 ユキは魔皮紙をドヤッと広げる、魔皮紙には自分の居場所とわかりやすく宝箱のマークがあった。


 「(誰か先生が作ってくれたのかな?でもここって......)」


 ミイはいつものようなえんぴつやクレヨンで書いた地図かと思ったいたが明らかに違っていて興味を持った、しかもその示す位置は


 「ここの外だよ?」


 宝箱のマークはモグリ邸の外にあった。


 「そうです!そこでミイちゃんだけユキのとっておきをおしえるです!」


 「とっておき?」


 「はいです!」


 「こーらー、またユキちゃんは悪いこと考えてるのかなー?」 

 

 「!!」


 ユキとミイの後ろにいつのまにかドーロが来ていた。


 「な、なんでもないですです!」


 慌ててユキは魔皮紙を後ろに隠す。


 「ふーんー?みせてー?」


 「な、なにがです?」


 ドーロは手を差し出す。


 「後ろに隠したものよー?」


 「うぅ......」


 ユキは魔皮紙を渡し、ドーロはそれをみて


 「ふーんー」


 ユキに返した。


 「(え!?)」


 「ちゃんと掘ったら手を洗うのよー」


 「はいですー!」


 ドーロは帰っていく、ミイは驚いて


 「どうしてなの?」


 「ふふん♪せんせーに見せたのはこれです!」


 ユキはさっき返された魔皮紙を見せるとそこにはいつものように手書きの宝地図で{ここに宝です!}とぐにゃぐにゃと書かれていた。


 「いつのまに......」


 「前に飴のおにいさんから貰ったのをとられちゃいましたですから、こういうこともあろうかとです!」


 「す、すごい」


 「へへんです!」


 先生からしたらとんでもない事だが今回はユキの悪知恵の勝利だ。


 「作戦は今日みんなが寝た後です!」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る