第330話 【神の使徒会議】

 「おーー!ルコさんじゃねーーかーーーぁ!」


 「あぶね!」


 とある立派な教会の扉をあけた金髪の少女クロエはルコサを見かけた瞬間いつかを思い出すようなドロップキックをくりだしたが避けられる。


 「挨拶が強引すぎない!?」


 ルコサは真っ白の神父をはたきながら言う。


 「うるせー!死んでるのかとおもったじゃねーか!」


 対照的にクロエは黒と赤のライダースーツ。


 「そやつは実際一回死んでいるさね、クロエ」


 そしてルダはどこから手に入れてきたかわからない黒いセーラー服で教会の長椅子からクロエに声をかける。


 「ルダ!てめーも来てたのか!」


 「当たり前さね、それに......ほら来た」


 ルダが言って扉を指差すとちょうど開かれる。

 そこから上品な真っ黒のスーツと片眼鏡を着用したアビが出てきた。


 「へぇ......あいつが例の」


 そのままアビはクロエを見て「こんな子供も居るのか」といって興味なさそうに一番前の長椅子に座る。


 そしてその言葉はクロエを怒らせた。


 「あ?いまなんつった?」


 クロエはずかずかとアビの前に立つ。

 それを見てルコサは心底めんどくさそうに

 

 「あー......クロ、ルダの時もそうだったけど喧嘩ならあとにしてくれー......」


 「ちっ!覚えてろよ」


 「......」


 そのままクロエも空いている長椅子にドカッと座る。

 クロエも時間がないことがわかってるのだ、なぜならみんなそれぞれ【神】に与えられた仕事をこなしている最中に来ているのだから。


 「あと、オリバは」


 ちょうどそのタイミングで教会の扉が開かれ静かに黒と緑の首もとから足まで長いコートを着たオリバルが入ってきた。


 「よ、オリバ」


 「おせぇんだよオリバ」


 「ごめん......」


 「まぁ座るさね」


 オリバルは周りを見渡してアビを確認したがそのまま空いている長椅子に座る。


 これで四人は教会の神の銅像の前に立つルコサを対面にする感じで座って揃った。


 「さて、これで揃ったね......まずクロとオリバに報告がある」


 「なんだ?」


 「なに......?」


 「キーくんが復活した」


 「「!!」」


 「まじかよ!おいおい!久しぶりじゃねーか!え?今日来てねーの?」


 「どこキーくん......?」


 二人ともキールの復活を喜び、今日来てるだろうとキョロキョロするが


 「残念ながら彼にはどうしてもはずせない仕事があるみたいだから今日これないみたい」


 「はー!まじかよー、まぁ今度あったら殺しとくか」


 「挨拶くらいすればいのに......」


 「まぁまぁ二人とも、とりあえずそれは最初に伝えないとねって思って」


 「まぁそれは解った、で、神の仕事を押し付けてどっかいったルコさんが無事でしたとキーくんの復活報告ごときで呼び出したわけじゃないだろ?早く本題を話せ殺すぞ」


 「おー良くわかってらっしゃる、じゃぁ、本題を行こうか、なんか質問があれば言ってくれ?ではでは、めんどくさいけど、はじまりはじまり~」


 ルコサは魔法陣を発動させた両手を下から上にバッとあげると教会は一気に暗くなり、みんなの前にはモニターが発生した。


 {あ、あーテステステストテスト~}


 {みんな聞こえる?}


 「聞こえてんよはよしろ!」


 ルコサは魔法を使って直接みんなの鼓膜に作用する。


 {はいはい、あぁ、めんどくせー......今日集まってもらったのは他でもない、みんなが見ての通り魔王【アビ】くんが僕達の仲間になった}


 「......チッ......やむ得ずだがな」


 {うんうん、その服も似合ってるよ。これでこの世界の僕達【神の使徒】は全員揃った。}


 {だから、みんなにも知っといて貰おうと思ってね}




 {過去の俺の仕事とそして}



 {現在どうなってるかを}




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