第305話 美少女コンテスト予選
{さぁ今年も始まりましたモルノスクール美少女コンテスト!}
「「「おおおお!」」」
{今年も可愛い女の子が揃いに揃ってます!会場のみなさんも盛り上っていきましょー!}
「「「うおおおおおおお!」」」
会場を盛り上げる声を舞台裏で聞きながら、俺はウェディングドレスをつけて心中むちゃくちゃ複雑な感情で出番を待っていた。
なんで、女のゴールであるウェディングドレスを男の俺が着てるんだよ!いや!俺身体は女だけどさ......
{さぁ!エントリーNo.1番!どうぞ!}
一番の人が舞台へ行く、ちなみに俺は最後の6番だ。
そして......
「ふむ、お前も来たのか《アドベンチャー科》一年代表」
「は、はい生徒会長も来てるとは意外でした......」
そう、俺の目の前にはウェディングドレス来た生徒会長の姿があった。
生徒会長はいつも凛としていてかっこよくて、少し怖い女性だ......まぁ、そんな生徒会長がウェディングドレスとかギャップがヤバすぎて人気なんだろうな。
「ふむ、私は友人に言われて今年もな」
「今年も?と言うことは前も?」
「うむ......」
生徒会長はすごく苦い顔をする、な、なんかあったのか?てか何かあるのか!?
{さぁ!予選は自己PRコーナーだ!それを聞き、審査員から質問がきます}
「始まったみたいだぞ」
「え?は、はい」
「一年マジック科です、えっとー友達がエントリーしろっていうからー得意なことは......」
一番最初の人は友達から誘われたのにまんざらでもなさそうに自己PRしていく.....うん、予選落ち狙うならここだな。
{では次にNo.5番さん、どうぞ!}
そうこうしてるうちに生徒会長の番が来て生徒会長は前へ出る。
{なんと!去年優勝者の方です!今はこのスクールの生徒会長!}
ええええぇ!?生徒会長去年優勝者!?まじかよ!
「しぇ、しぇいと会長でありゅ」
へ?
生徒会長は一回下を向いて深呼吸をして。
もう一回。
「わ!私は!生徒会長でありゅ!」
生徒会長おおおおおぉおおおぉ!!!
生徒会長は顔を真っ赤にしながらみんな前で噛んで恥ずかしさで顔を隠した。
も、もしかして生徒会長って......
{でたー!生徒会長の噛みまくり演説!これは普段凛としてる生徒会長がどうして!どうしてだ!}
「こ、こんな服また着せられて無理だぁ......」
生徒会長おおおぉおおおお!あんた!あんたすごいよ!
え?つまり、その服装でみんなの前に出ると恥ずかしすぎるってこと?
可愛すぎんだろ!なんなのあの人!ギャップをすべて詰め込んだのか?
身体は女だけど心が男だから俺の心はキュンキュン来ちゃうよ!
自己PRが終わって顔を真っ赤にしながら生徒会長が此方に来た。
そして通りすぎようとしたときに俺の肩に手を置き。
「気を付けろ......あがるなよ」
と言って通りすぎた......あんたが一番あがってるよ!っというツッコミを飲み込んで俺の番になった。
{おおおおおおおおおおお!おおおおおおおおおおお!}
おい、実況。実況しろ!
{う、うつくしい......}
前からみんな褒めてくれるけど正直「可愛い」とか「美しい」とか!俺男だからどう反応していいかわかんないんだよ!!!
嬉しいけどなんかこう......こう!言葉にならないモヤモヤ!
「こんにちは、僕はアドベンチャー科一年のアオイと言います。」
「「「きゃぁぁあああきーーーあぁぁあ!!おおおおおああああ!!」」」
おい男子ども、それはもはや奇声だろ!?
{なんとなんと!最後の最後に!我々男子の期待に応えてくれました!この学校で噂は絶対に耳にしてるはず《謎の金髪美女》!そして噂は本当だった体育祭の時に現れた《アドベンチャー科》一年!そしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてついに!名前が!明かされました!!!その名は}
{アオイ!}
「「「「うわぁぁぁおおおおおおおおああああ!!!!ぐわぁぁあああ!!!ああおおおおおおおあああ!!」」」」
会場にガソリンでも撒いて火をつけたくらいに燃え上がる!
その会場の歓声でなんやなんやと他の人も集まってくる......いやぁぁぁあ!これ以上増えないでぇえ!!
「し、質問はありますか?」
これ以上はヤバイと思い俺は審査員に質問があるかと質問をすると
「好きな男のタイプは!?」
「暇な時間ありますか!」
「服はいつ干してますか!」
「この後どうですか?」
「結婚しませんか?」
............こいつらは駄目だ......とりあえず最初の質問......って好きな男のタイプは?って俺男なんだけど!?
どう答えんだよ!
「あ、あーえーっと......」
答えようとするとみんな黙ってこっちをみる......視線がいたい......
「好きな男のタイプはって良く分からないけど、顔だけで決めたりはしないかな?」
うん、別に嘘じゃないしね......何より俺は女性恐怖症だったからかわいい女子の顔全部同じに見えるし。
だけど、なんだろ......シーンとしてるけど嵐の前の静けさのような......マグマが出てくる前みたいな......
「では、顔が良くなくても誰にでもチャンスがあると?」
「え?そ、そうですね」
「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」
えええ!?なんで!?
{これはつまりここの会場全員にチャンスがあるということです!もう質問は以上です!これ以上だと会場が歓声で窓とか割れそうなので!}
「ち、ちょっ」
{では!予選の発表のち次に移ります!}
えええええええええ!?
予選落ち......狙ったのに質問一つで終わって出来ませんでした......
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます