第306話 美少女コンテスト終了

 舞台裏に個室があり現在俺はそこに待機している......というのも。


 {さぁ!次で最後です!最後まで残ったのはアオイさんと生徒会長です!}


 あれから色々やらされて俺は落選......しなかった......

 何の運命か、ここまで勝ち抜いて来てしまったのだ。


 「は、はは」


 苦笑いしかでねぇ......


 {では、準備ができたのでお二人は目の前にある【転移魔法陣】で転移してください}  


 「......はぁ......」


 言われてため息をつきながら【転移魔法陣】を発動させ転移すると。

 

 {最後やってもらうのはこれです!}


 体育館の入り口に生徒会長と二人転移してきた。

 体育館の生徒達は道を作っていて、そこには前の会場までまっすぐレッドカーペットが敷かれてる。



 {ウェディングロード!}



 ..................



 {お二人には前まで歩いてもらいます、そして会場の人達には予め投票の魔皮紙を配らせて頂きました、皆様には是非ウェディングドレス姿で歩いているお二人を近くで見て投票してください}



 「「「おおおおお!」」」



 お前らそんなに騒いで疲れないのか!?

 

 {さぁ!お二人ともどうぞ!}


 「い、いこ?生徒会長」


 「あ、あたりみゃえだ!」


 生徒会長は相変わらず顔を真っ赤にして噛んでる。

 いや、わかったことがある。


 この生徒会長は女の子の服を着ると途端にこうなるタイプなのだ!俺には手に取るようにわかるぞ!

 昔の俺なら毛嫌いしただろうけど、今ならわかる。

 アニメみたいな人間だ!


 「手、繋ぐ?」


 「う、うむ!」


 手を繋ぐと生徒会長の手は震えていた。

 それは恥ずかしいのかそれとも怖いのか......


 俺たちは歩き出す。


 女の一つのゴールであるウェディングロードを......

 みんな拍手したり花を投げたりしてる......





 ....................................うん、これやっぱりおかしいよね?

 なんで俺が歩いてんだ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 と、言うわけで。

 最初に戻るが優勝してしまった訳だ......え?短い?ほかの事?

 ......男で美少女コンテストに出てるんだからこれ以上語らせないでくれ......


 {では優勝者のアオイさんには優勝商品の魔法の指輪をプレゼントです!}


 ......もういらないから帰らせてくれ......うぅ。


 {そして渡すのは美男子コンテスト優勝者のこの人です!どうぞ!} 


 舞台裏からイケメンの方がゆっくりと歩いてきてらっしゃる。


 「「「きゃーーー!こっちむいてー!」」」


 その人が出てきたら女子の黄色い歓声が響き渡る。

 すごい人気だな、そしてそのイケメンは俺の前まで来るとポケットから指輪入れを取り出し......おい、やめろ、それは男が女に結婚式の時にする行為だ。

 俺は男だから男が男にしてるぞ。


 「優勝おめでとうございます。そして.....」


 指輪ケースを開けながら言葉を続けるイケメン君。



 「ひとめぼれをしました、どうか僕と付き合ってください」


 「っ!?」


 俺は男からの告白で叫びそうになるのを手でこらえるが、逆にみんなにはそれが驚いて喜んでるように見えたらしく。


 {おおおおおっと!これはこれは!美男子優勝者がまさかの電撃告白!}



 「「「「おおおおおおおおおおおお!」」」」


 {これには誰も異論がありません!美男と美女、何てお似合いなのでしょう!}



 うわぁぁぁぁぁぁあああああああ!

 なんて展開作り出してんだコイツ!


 「返事は、どうですか?」


 「え、えと......」


 この状況イエスしか答えられねぇじゃねぇか!

 いやだぁ!俺は男と付き合う趣味はないんだぁぁあ!

 ホモになっちゃうって!まじで!


 {おおーっと!アオイさん!嬉しさで言葉がでないのか?それともやはり顔ではないのか!}



 ......!

 これだ!





 俺はその指輪を手に取り






 思いっきりどこかへ投げた。


 


 {......!?}


 「「「......??」」」


 「......!」


 全員が俺の行動を見て呆気にとられてる。










 「僕の恋は言った通り顔で決まらないよ!僕の恋は僕自身が決める!」









 

 




 その日から俺は学校中の男子と......なぜか女子にも告白され出した。

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