第299話 見つかってしまった。

 「教室の方は大丈夫?」


 女リーダーは若い男子が入ってきた扉に移動しながら聞く......これで若い男子、《ファイアーヒューマンドロップ》のリーダーは逃げれなくなった。


 「え、えぇ、教室は今ルカさんとかが居ますから......」


 「そ、良かった......」


 「あの、話ってのは?」


 「ふふ、あの手紙を出したのは私じゃなくすひまるよ?」


 「え」


 男子はそれを聞き、すひまるの方向を見る。

 すひまるはいつものように下を向いて目を合わせないが小さな震える声で


 「ごめんなさい......」


 と言った。


 「な、何を謝って」


 「ほら、すひまる。アンタでも大丈夫な相手を選んだんだから早くしなさい?」


 「は、はい」


 すひまるは顔を上げ男子の方を見る......そして


 「すひまるさん?え?な、なんだそれは!?」


 すひまるは上半身を脱いで下着になるとどんどん姿が変わっていく。

 制服のスカートからは身長の二倍くらいの細いサソリの尻尾。

 そして背中からコウモリの羽。

 肌は紫になり。

 そして......鋭く尖った犬歯。


 「......!?」


 男の子はなにも言わず振り向き逃げようとするが扉にも同じ生物がいた!


 「あ、あなた達は一体......う......」


 男の子はそこまで言うと後ろのすひまるから伸びた尻尾の針に刺され体が痺れ、そして意識を失った......


 「さ、でておいで」


 その言葉を聞き、ひとつの個室トイレから紫の球体が出てきた。

 その紫の球体には目もなく鼻もないのだが尻尾と牙がある。


 「......」


 球体はその牙で男の子の首筋に噛みつき血を吸うとみるみると姿形を変えやがて


 「ありがとうございます、幹部様」


 その男の子の容姿になった。


 「当然よ、全ては我らが魔王【アビ】様の為に......」


 「......」


 すひまるは倒れている男の子を見つめる。

 血を少し抜かれただけなので死ぬことはないが......


 「こ、このひと......は?」


 「はぁ?何いってんの他のやつらと同じで私達の国で食事を作ってもらうわ、今回は私があの転移魔法陣まで持っていくわね」


 「......」


 すひまるが黙ったのを確認して男の子吸血鬼は報告する。


 「ところで、僕は少し前から居たのですがどうやら......他にも人間が居ますよ」


 「ふーん、なるほど、えーっと......ここね、鍵なんかかけても無駄よ」






















 ガチャン。













 

 


 

 


 「あら、可愛い子ね。」

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