第285話 昼休憩
午前中の競技も終わり昼休み。
俺はルカと人気のない屋上でお弁当を食べていた。
が、俺の箸はなかなか進まない。
「ねぇ、ルカ」
「モグモグ......ん?なんなのじゃ?」
「......すひまるちゃんの事、どう思う?」
「む?あのぽっちゃりしてる美味しそうな娘なのじゃ?」
「いや、その見方はどうかと思うけどこの際いいかな......で、どう思うの?」
「どう思うも何もワシらの隣におるだけで害はないじゃろ」
「うーん、そっか」
「どうしたのじゃ?気になのじゃ?」
「うん......僕達ってみんなから優しくしてもらってるでしょ?」
「うむ、鬱陶しいがの」
「だから何というか......裏が実はあるんじゃないかなって」
「裏?」
「うん、みんなにその気は無くても......そのいじめとか」
いじめ......それは俺が中学校の時に経験した事のある忘れようにも忘れれない記憶だ。
「ふむ、だとしてもワシの知ったことじゃないのじゃ」
「っ......」
そうか......そうだよな、そうやってみんな'関係ない'と言う。
実際にこっち側に立ってみて解る。
他のみんなと仲良くなってるから嫌われたくないから関わらない。
なんの正義感だよ、偽善。
そもそも関わりのない奴だから知らない。
様々な思いがあるのだろう。
ほんと......くそくらえだ。
そんな事思ってる奴らに言いたい。
他のみんなから嫌われたくない?......大人になって解ることだが学生の頃のクラスメイトなんてほとんど会わないし生きていけるから少しでもうまく立ち回っていじめてる奴を助けてやれよ。
偽善?......馬鹿か、偽善でも善なんだよ。そんな屁理屈言う前にお前の思う偽善を行動に移してみろや!
..................ちょっと熱くなりすぎたか。
感情が抑えられていく。
ふぅ......賢者モード。
「どうしたのじゃ?」
「ま、まぁほら、まだ推測だから......もしもそんな所を目撃したら教えてね?一応クラス代表だから僕」
「クラス代表も大変じゃのぅ」
「まぁねぇ」
そう、別にいじめられてるのか決まったわけではないのだ。
それに、仮にいじめられたとしてもその場で「いじめるのよくないよ」って言えなかったら遠回しに無くすように頑張ればいい。
なんたって。
「いじめは一生の心の傷になるからな......」
「む?何か言ったのじゃ?」
「いや!何でもないよ!それより午後からの準備しよ!」
「うむ、いよいよ午後からは各クラスの競技なのじゃ、確か最初は?」
「えーっとね」
俺は競技の書かれた魔皮紙を見直すと13時からは《物運び》と書かれていた。
「《物運び》だね、じゃ、みんなと合流して最後の打ち合わせをしよーう!」
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