第260話 帰りのお買い物
どうも、《モルノスクール》《アドベンチャー科》《クラス代表》です。
じゃねえええぇ!!なんでこうなってるのん!?
「はっはっは、今日は楽しかったのじゃ」
「むぅ・・・・・・」
学校が終わり夕暮れ時の帰り道。
二人で明日のお弁当の具材を買いに市場にきていた。
もうすぐ夜ご飯時なのもあり、市場は賑わっている。
「まぁそうむくれるでないのじゃ、クラスの代表なのじゃぞ?名誉なのじゃ?」
「名誉じゃないよぉ・・・・・・僕は目立つことは苦手なの!」
「今この場でみなの視線を釘付けにしてるお前が言うななのじゃ」
「それはもう諦めたよ・・・・・・」
ここは女って大変だと思うところである。
正直胸とかお尻見られてるのわかるし、キョロキョロしたら目が合う・・・・・・
これを一々気にしてたらキリがない。
見るなら見ろ!俺は中身男だぞ!ざまぁ!くらい思って乗りきってる。
「それに、ルカだって見られてるじゃん~」
「ワシは別に見られてもいいのじゃ、ワシが気にしなければそれでよい!のじゃ」
キランっと効果音が出そうだ。
「はぁ・・・・・・まぁ明日の僕は明日の僕に任せよ・・・・・・気を取り直して食材を買おう!」
「のじゃ、肉がいいのじゃ」
「いいね!えーっと、お肉屋さんお肉屋さん・・・・・・」
キョロキョロすると各店が賑やかになりだした。
「あいー!安いよ!安いよ!今入ったばかりの『オクトクラーケン』の睾丸!おいしいよ!」
「こっちは今ミクラルの女性に人気の『タプオカ』だよー!あの今復旧中のナルノ町から取り寄せた正真正銘だー!今なら金髪と青髪の子は安くなるよー!今だけ!」
「パンはいかが?パンはいかが?学校の帰りにどうだー!今なら『ラルク』のハチミツをふんだんにつかってあま~く仕立てた『ラルクパン』!モルノスクールの生徒は安くするよ!」
「今なら野菜が安いよぉ、サラダにどうだい?ヘルシーだよー!今なら内の秘蔵!『メルキノコ』が二つ!高級食材だけど金髪でモルノスクールで胸の大きい子には安くして売るよー!うちにきて!」
「おらぁ!お肉屋だよー!今なら『カルムッゾセントリー』の新鮮な肉がなんと金髪の子には1グラム50で売っちゃうよー!」
あ、お肉屋あった。
と、言うことでお肉屋にトコトコと二人で行き、ショーケースのお肉を見る・・・・・・
あれ?なんか他のお店の人泣いてる?どうしたんだろ・・・・・・
「くそおおおおぉ!!」
「ちきしょおおぉ!」
「今日は店を閉じるか・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
「ねぇ、ルカ・・・・・・」
「のじゃ・・・・・・まぁ。買いだめてもいいのじゃ・・・・・・」
ルカは察したのか苦笑いしながら許可をくれた。
言いたくない、これだけは絶対に言いたくないけど!
どこの自己中だよってツッコミが来てもおかしくないことを言うよ?いい?
ほんと、軽蔑しないでね?
みんな俺を狙ってなかった?
うん、ききききき気のせいだ。例えそうだとしても俺は気のせいと思っとくよ・・・・・・
その事に気づいてもそう思わないと俺が恥ずかしいからな!というかやめてくれ・・・・・・女の身体でモテると拷問だから!男にモテてるからな!これ!
俺は男だぞ!
二回目の気を取り直して・・・・・・えーっと。
「すいません、聞いていいですか?」
「あいあい!なんだいお嬢さん?」
「その、お肉がどれがどんな特徴とかありますか?ミクラルに来てまだ間もないので」
「おお!あんた他の国の人かい!そうだな、えーっと、何か希望はあるかい?」
「唐揚げを作りたいんですが」
「お前さん!あれを作れるのか!?」
「へ!?」
唐揚げという言葉を聞いた瞬間、店主はショーケースに身を乗り出して聞いてきた・・・・・・え!?唐揚げは唐揚げよね!?
「は、はい」
「それは今アバレー王国の《うまかっちん》って店で大ブレーク中の料理だ!作り方をみんな聞くが「運命で出会った料理の師匠に教わったんだ、教えれねぇ・・・・・・気になるなら食べて作り方を見つけろ」って言って教えてくれねーんだ!もしかしてお嬢さんがその!」
「違います!人違いです!」
「そ、そうか・・・・・・」
残念そうにお肉屋の店主は元の位置に戻った。
ふぅ・・・・・・怖かった・・・・・・すごい目が血走ってて息も荒くなって声も大きいし・・・・・・
え?てか唐揚げは唐揚げだよね?ないの?
「まぁでも・・・・・・そいつの言ってることは確かに正しいな、答えを一気に知るよりお嬢さんが作り方を知ってるって言うならヒントを貰おう、その【唐揚げ】ってのに使う肉。無料でいいぜ。だからどんなのがいいか教えてくれ」
おっと!これは思ってもない幸運!ラッキー!
「えーっと、唐揚げかぁ・・・・・・鳥のモモ肉とか良いんですが・・・・・・」
う、トラウマが・・・・・・いかんいかん、命はちゃんと美味しくいただく。
それが人間に出来る事だ!
「ほう?グリードのベルドリとかか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「のじゃ!?なんで泣いておるのじゃ!?」
「お、おい、嬢ちゃん?」
あ、あれ、おかしいな、抑えてるけど涙がでる。
俺は涙をぬぐって後ろを向いて深呼吸した。
「特別柔らかいお肉が美味しいかもです!」
「そ、そうか?大丈夫か?そうだな・・・・・・柔らかいお肉と言えばさっきも言った『カルムッゾセントリー』の肉がここで一番柔らかくてうまいぞ」
「じゃぁそれをください」
「どれくらいいる?」
「えーっと」
「そこに出ている8割貰うのじゃ」
「えええええ!?」
「あいよー」
「ええええ!?」
「何を驚いておるのじゃ?」
「え、えと!そんなに食べれるの?あとそんなに貰っていいんですか?」
「ワシはまだ足りないくらいなのじゃ」
そ、育ち盛りだねぇ・・・・・・
「いいぞ、お嬢さん達にはサービスだ、それにまた仕入れればいいしな、無料であげるが、その代わりと言っていいほどのヒントを貰ったからな」
唐揚げヤバ!どんだけすごいの唐揚げ効果!
「じゃ、じゃぁいただきます!」
そのままルカの転送魔皮紙を通して大量の肉を家に送った。
そして
「さて、他の食材も買いだめしとこっか?」
その声を聞いてたのか、また市場は賑わいだした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、まだアオイ達を監視して苦悩している者達が居た。
「わからないな・・・・・・」
「アオイの行動がさね?それとも『女神』の行動がさね?」
一人は白い神父の服を気だるく着こなし。
めんどくさそうに【千里眼】魔法を使って監視している男。ルコサ。
そしてもう一人は真っ黒い髪を腰まで伸ばし、ミクラルでは少し奇抜な露出の多い服を着た。
胸は普通くらいだが男を誘惑する着こなしをしている女。ルダ。
二人は交代が来たので見張りをしていた。
「『女神』のかな、アオイちゃんの行動はいたって普通の人間だよ、少なくとも君みたいに毎晩男を漁ってる変態じゃない」
「可能だったら貴様も相手してあげていいさね、その【神の加護】にはすごいテクニックも含まれるかの?」
「冗談を・・・・・・ババァに抱かれても」
ゴチンっとルコサは殴られ、ルダはニッコリとして言葉を発する。
「何か言ったさね?」
「・・・・・・なんでもないです」
「それで、何がわからないさね?」
「うん、今まで表に出さなかったアオイちゃんを監視付きとは言えここまで普通に出て普通に過ごさせてる」
「あれが普通に見えるさね?アオイの周りはご機嫌を取りすぎてるくらいさね・・・・・・まるで『魅了』にかかってるみたいに・・・・・・」
「正解だよ、彼女は気付いていないかもしれないけど僕の【神の加護】と同じで『女神の加護』が彼女にはついてる」
「なるほどさね、それがなかったら?」
「無くなることはないだろうね、あの身体事態が魔法みたいなもの・・・・・・魔力とか関係なしに発動するよ」
「一生モテすぎるのもあれを見るとストレスがたまりそうさね・・・・・・はっきりいって同情するさね」
「それに、彼女は【勇者】と神に認められたから【神の加護】も受けれるようになった」
「本当に、聞くだけ聞くとすごいさね、実際に見てると分からないがね」
「まぁ、僕たちは何か起こるまで下手に動けないよ・・・・・・キール・・・・・・キーくんがアレに成功するまでね」
こうして、ルコサは違和感を覚えながら監視を続けるのであった。
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