第257話 パーティー紹介!授業スタート!

 「起きて、ルカご飯できたよ」 


 時刻は朝の6時30分頃。

 奴隷なので家事全般は俺がしている。


 ちなみに言うが、決して俺は朝が強い方ではない。

 もとの世界だと学校に着くギリギリの時間を逆算してギリギリまで寝て寝癖をつけて学校に五分前くらいに着く人だった。


 そんな俺が朝早いのかと言うと、単純に夜更かしをする原因がないからだ。

 想像してみてよ・・・・・・テレビもゲームもない趣味もない、やることと言えばご飯つくって掃除して布団について寝るだけ。


 気がつけば夜の21時には寝てる毎日。

 逆算してえと・・・・・・9時間~10時間睡眠ね。


 ちなみに目覚まし時計はあるが、音ではなく魔法で起こされる。

 設定するときに数字に魔力を込めるとその人の魔力の流れを検知し設定した時間に優しく起こしてくれるのだ・・・・・・正直目覚まし時計に関しては元の世界に持って帰りたいくらいこっちの世界の方が進化してる!もっと頑張れ、元の世界!


 「のじゃ・・・・・・」


 すっごい眠そうに髪をあり得ないくらいボサボサにしたルカが起きてきた・・・・・・相変わらずすごいな。

 

 「○ーパー○イヤ人みたい・・・・・・」


 「うぅ・・・・・・めんどくさいのじゃ・・・・・・なんでお主はいつも起きても髪がいつも通りなのじゃ?」


 「うーーん、考えたことなかったけど髪質なのかな?」


 この髪、すっごく鬱陶しいと感じることはあるけどそういう手入れに関しては何もいらないんだよな、だから切ろうとも思わないんだろうけど。


 「うー・・・・・・お主だけズルいのじゃ・・・・・どうしてワシも同じように作ってくれなかったのか・・・・・・」


 「ははは、神様に文句いっても仕方ないよ」


 もっとも、俺をこの身体にしたのは女神だが。


 「・・・・・・神様に言ってるのじゃ」


 「ど、どうして僕を見るの?」


 「何でもないのじゃ、ふぁーあ・・・・・・取り敢えず髪を整えてご飯はいただくのじゃ」


 「はーい」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そして、モルノスクール・・・・・・

 

 「はぁ・・・・・・」


 「何をため息ついておるのじゃ」


 俺達は登校し、誰よりも早く教室についてしまった。

 授業は8時からなので7時30までにつくように7時20分に教室に入ったのだが。


 それは社会人としての常識で・・・・・・まぁ、この学校に関しては歳はバラバラだけど16歳未満の子が多い。

 

 つまり若い人はこんなに早く来ないのだ。

 元の世界の大人の癖が出てしまった。


 しかし、そんなことより、昨日・・・・・・


 「あんな帰り方をして何も気にしてないほうがすごいよ、むしろホラーだよ」


 「ワシらが悪いわけではないのじゃ」


 「いや・・・・・・明らかに僕たちが震源なんですけど・・・・・・」


 そう言っていたら俺のとなりの席の子、えと、名前はたしか。


 「あ、スヒマルさん、おはようございます」


 「え!?あ、お、おはようございます」


 挨拶を交わすとそのぽっちゃり女の子はそそくさと俺のとなりの席に座って寝たふりをしだした。


 「ふむ・・・・・・話を戻すのじゃ」


 「う、うん、そうだね」


 戻せねーよ!?今見てた!?見てたよね!?

 思いっきり隣で寝たふりされてるよ!?


 「どうなろうがワシたちの知ったことではないのじゃ、目的はここを卒業し冒険者になること・・・・・・それだけなのじゃ」


 「・・・・・・」


 ルカはそれだけを言うとつまらなさそうに髪をいじりだす。

 ルカの言っていることは正しい。

 でもそれは一つの道としてだと俺は思うけどなぁ・・・・・・人間関係、コミュニケーションは団体で動くうえで大事・・・・・・って言ってる俺が昨日あんな失態おおおぉ・・・・・・


 取り敢えずそう考えてた方が良さそう。


 そして、何もなく時間はすぎ、8時の10分前、生徒が入ってきだした。


 まずは四人組の男のパーティーでみんな歳は14と言ったところだろうか、すごく年下だ。


 「あ、アオイさん」


 俺に気づいて四人で此方に来る・・・・・・また色々言われるのかと思ったら


 「昨日はごめんなさい、いきなりみんなに来られたら怖いよね」


 「へ?」


 その四人は謝ってきたので困惑した。

 え、えと?


 「僕らもあの後反省してね、これから先もあるしゆっくりと知っていって知ってほしい、取り敢えずは僕ら《ファイアーヒューマンドロップ》をよろしく!」


 そう言ってファイアーヒューマンドロップの人は手を出してきたので笑顔で握り返す。

 

 「う、うん!よろしく!かっこいい名前だね!」


 「ほんとにそうおもいますか!」


 「よっしゃー!昨日みんなで考えたかいがあったぞー!」

 

 「アオイさんに褒められた!うれしいぃ」


 「ほら!ここで騒がないで席で今後について話そう!」


 名前を褒めただけなのに大げさな・・・・・・

 でも、ふふ・・・・・・悪い気はしないな。


 「ほら、言ったじゃろ?何も心配することはないのじゃ」


 ルカはドヤ!ほら、ドヤッ♪っと言う顔でこっちを見てくる・・・・・・まぁでも今回はそうだった。


 「ほんと♪そうみたいだね」


 次に入ってきたのは女の子5人組。

 多分、歳は20歳くらいでそれぞれみんなお化粧をしているのか綺麗だ。

 その人達も此方に来た。


 「二人とも、おはよう♪」


 「おはようございます」


 「うむ」


 「昨日は怖がらせちゃったね?今度から気をつけるから良かったら休みとか空いてたらどこか私達ストロングウーマンをよろしくね?」


 ストロングウーマン、直訳で強い女?かな?


 「うん!是非予定があいてたらよろしくね!」


 「ふふ、ほら、みんないこ?」


 ぞろぞろと席に戻ってく・・・・・・そして。

 

 「アオイ殿!昨日はかたじけなかったでござる!」

 

 昨日鼻血で倒れた人を連れた四人組の男の子達が来た。

 ちなみにみんなこっちを基本見ないでチラチラしながら話してる。

 歳はみんなさっきと同じ14くらいかな?


 「し、失礼ながら!わ、我ら《アルティメット》はアオイ殿とルカ殿の大人の刺激が強すぎたみたいでござる!少しずつ慣れていくのでこれならよろしくでござる!」


 「う、うん、よろしくね?」


 「すごい語尾なのじゃ」


 ルカが言えないよ・・・・・・


 握手を求めてきたのですると。


「っ!」


 案の定、その人から鼻血が垂れてきた・・・・・・


 「ししししつれい!みな!撤退撤退!」


 そうして騒がしく戻っていった・・・・・・また、個性が強いなぁ。



 となると最後は・・・・・・


 「みんな!おはよう!いい朝だな!共に二年間過ごす仲だ!《マッスルファイターズ》をよろしく!」


 昨日ルカに触られた筋肉がすごい四人が教室に入った瞬間に挨拶をしていた。

 歳は20後半くらいか30だろうか?てか、なんで冒険者じゃないのこの人たち。


 そして四人とも此方に来て。


 「やぁ!二人とも!これを見てくれ!」


 「え?」


 「のじゃ?」


 そういって四人は制服の上着を脱ぎ上半身裸になると四人とも素晴らしく鍛えられた体が出てきた。


 ・・・・・・はい?


 「この学校で何かあったから俺達に言ってくれ!この筋肉を見よ!何者にも負けぬ!はぁはぁ!」


 や、やばい、この人たちはやばい!なんか息も荒げてきたし!?


 「た、たくましい筋肉だね!たのもしいよ!ね!ルカ!」


 「そ、そうなのじゃ、頼もしいのじゃ」


 ほら!あのルカも思わずひいている・・・・・・


 このまま何か言われるかと思ったら先生が到着し。


 「な、何やってるんですか!早く席につきなさい!」


 「うむ!まだ話したかったが!また後で!」



 「は、はい」


 こうして、昨日把握できなかったクラスをなんとなくだが把握できた。



 「では、まず、教科書を配るのでそれから・・・・・・」



 そして、俺の異世界に来て初めての授業がスタートした!




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 冒険者は命がけの職業だ。

 この世界は広く、まだ人間が行ったことのない土地は数えきれないほどある。

 国に認められた冒険者は【開拓】を行い、国の領地を広げられ国に称えられる。

 

 この教科書を見ている者が、もしかしたら将来、新たな発見をするかもしれない。


 教科書1ページ。

 


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