第248話 解らない違和感!
全てが終わり____
キールはみんなの雄叫びを聞いて目を覚ます。
「起きたかよ!キーさん!」
「お、おまえら、無事だったか」
「あ?何いってんだ?それより見ろよ!」
「っ!これは!」
{やりました!私達は!ついに山亀を討伐しました!}
通信の魔皮紙でユキが全員に勝利の報告をしていて、キール達の目の前には内臓が全て飛び散り無くなってる山亀の死体が仰向けで転がっていた。
「ど、どうして」
「あ?寝惚けてんのか?」
「クロ……キーくんは俺達を守った後に魔力が尽きて寝ていた」
「あー……まぁ、助かったよ、キーさんの【目撃護】のおかげで土塔が砕けたのに潰されなくて済んだ」
「え……?」
おかしい、何かがおかしいが、キールはそれに気付けない。
『まるで何かから呪いをかけられたように』
{まさかですよ、女王の所のトラブルで【最終生命破壊砲】が撃つのを遅れて土塔が崩れたとき!アオイさんの【武器召喚】が発動して!なんと!}
「あの山亀を一人で持ち上げて、そこに女王達が治した【最終生命破壊砲】を撃った?」
「あ?しってんじゃねーかキーさんよぉ、正確にはお前と同じこの国の代表騎士さんが山亀の内部に爆発魔法を忍ばせていて、それのおかげで再生する前にあの山亀の心臓をぶっ壊せたんだが……さてはてめー……寝たふりしてやがった!殺すぞ!」
クロエはキールの背中をバンバン叩きながら笑っている。
「……そう言えばルコは?」
「あ?ルコさん?あーそういやどこに行ったんだろうな?おーいルコさーん」
そういってクロエはルコサを呼ぶが返事はない。
「まーた、どっか消えやがったよあいつ。オリバ、なんか知ってるか?」
「知らない……あいつはいつも勝手だから……」
「それもそうだな、気にする方が損か」
「そ、そうか」
「それより!めんどくせー色んな作業終わらせたら祝杯だ祝杯!今回は一人の力じゃなくみんなの力で誰も死なずに勝利だ!酒がうめーぞ!」
「クロ……女らしくない」
「うるせーよオリバ!ほら!いくぞ!って__げっ」
クロエが世界樹の方に歩こうとすると、手をふってる優しそうなおじいちゃんがすぐ後ろにいた。
キールはいきなり気配もなく現れたその人物に驚愕する、まったく感じなかったのだ、まるでグリードの気配遮断のローブを常時着ている様に……
「し、師匠」
「師匠……」
「見事であった、お主達の活躍、千里眼で見ておったぞ」
「は、は!俺達にかかればこんなもん!」
「では、帰るぞ」
「え!?し、師匠?」
「ここでの役目は終わった、アオイも無事だ、お前達には先を急ぐ必要があるのでな」
「ま、まさかあの在りかを!?」
「師匠……」
「うむ、お前達は免許皆伝だ」
クロエとオリバルは目を見合わせて。
「「ありがとうございます」」
と言った……キールは驚きがさっきから止まらない。
「(あのクロエとオリバルが!?ありがとうございます!?)」
クロエとオリバルはそう言うのが嫌いでグリード側近の騎士になるのを断っている。
そのクロエ達が今!
キールの目の前でちゃんと姿勢を整え礼を言ってるのだ!
「(これは明日雪でも降るんじゃないか!?)」
「そうと決まれば戻るぞ!あぁ、キーさん」
「?」
「俺とオリバはお前を追い越す、それまで待ってろ」
「あ、あぁ」
「キーくん……覚悟しといて……」
「お、おう……(オリバがそう言うのは珍しいな)」
話がひと段落したところで師匠がキールを見る。
「キールと言ったか?」
「はい」
「この中で唯一…………いや、やめておこう」
「?」
「ありがとう、かわいい弟子達を護ってくれて」
そういって、振り返り3人でどこかへ歩いて行った。
「(護った……確かに間接的にはそうなるのだろうが……なんだ……私は一体何を忘れている……)」
キールは煮え切らない思いをしたが直ぐにユキから連絡が入る。
{さぁ、キールさんアバレーの騎士達も次の仕事にかかってます!我々も一度集合して!今回のヒロイン!オア!ヒーロー!アオイさんに会いましょう!}
「…………解った」
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