第245話 【勇者アオイ】誕生!
「久しぶりです、アオイさん」
「え!?え!?」
目の前の……いや、今まで俺を助けてたのはリンだった!
「話すと長くなるから手短に言うと俺はあの後、色々あって『女神の翼』の用心棒になりました、全てはアオイさんを守るため」
「僕を……?」
「はい、俺はあの時、神に見捨てられて死ぬはずだった、でもそれを変えてくれたのはあなただ」
「どう言うこと?神?え?」
「だから…………その恩を今ここで返す」
リンはもう一度頭装備を被り黒騎士になった。
「俺は全て知ってる、あなたが勇者であることも……そして女神であることも」
「……」
「だから今ここであなたは死ぬべきじゃない、あなたには“やるべき事”がある」
やるべき事……確かに仮に【勇者】で『女神」だとすると、これから先、リュウトやヒロユキがいない世界でやる事はいっぱいあるだろう……だけど____
「そっか、それじゃぁ」
俺はリンの手を握って______
「な!?」
その真っ赤な魔皮紙を奪い、魔力を流した。
「何やってる!?」
魔皮紙は俺の手からドロっと溶けて染み込む。
一気に身体が軽くなり、力が沸いてきた。
「リン……君の言ってる事は解る……でも俺は__“今ここで頑張らなければ明日は後悔する”」
「っ!」
「僕は馬鹿だからさ、何も考えずに突っ走って何も考えずに生きてると思う人は多いと思う……だけど、馬鹿で居るために……明日何も考えずにのほほんと生きる為に!今日に全力を出すんだ!」
「だが!アオイさんは!」
「そうだよ!俺は力も何もない!だけど馬鹿だからここは1人で逃げない!それに!」
「?」
「一番はこれを使ったエスが僕を連れて逃げれば良かったんだよね?でもそれをしなかったのは理由がある!」
「……」
触手はもうそこまで来ていたので俺はボーッとしてるエスの剣を1つ奪って不恰好にも剣を振って触手を斬る。
「それがどんな理由か知らないけど!僕は戦う!勇者として!最後まで!」
よく言った。
「え?」
自分の命をかえりみず、敵に立ち向かう。
合格だ。
「エス?いや、違う?まさか____」
今、お前にかけていたリミットを外すときが来たようだ。
唱えよ、その魔法を。
そして。
女神の作り出したその魔物を倒せ。
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