第212話 話し合わせ!
《リュウトパーティー テント内》
外から見ると質素な普通のテントだが、中は魔法で改造されていてまるで豪邸の様になっている。
入り口の人1人くらいのドアを開けるとまず見えてくるのは中央リビングだ。
ここには暖炉やソファーもありカウンターの奥にはキッチンが繋がっていて、その反対方向にある階段を上るとパーティーメンバーの各部屋が設置されている。
「私はキール様と部屋でゆっくりじっくり話すからあんた達はここで話しなさい?」
「いや、私は____」
「いいからいいから♪キール様♪」
アンナはそういって、キールの腕に絡み付き胸を当てて部屋まで連れて行った。
「行きましたね……」
「うんっ、あの人には聞かれたくない話もあるからっ、アンナは察してくれたっ」
「そう言うことですか」
「ふぁ〜あ……あーたん眠い……」
「うんっ、あーたんリュウトを探してくれたのありがとっ、部屋でゆっくりしててっ」
「ふぁ〜い」
眠そうにあーたんは階段を上がって行き、リビングにはアカネとみやの2人だけになる。
「では、話を」
「うんっ、アカネがアバレーに行った後、私たちはアバレーへの入国申請がいつまで経っても降りなくてっ、ミクラルから一度グリードに戻ったのっ」
「はい、アバレーへの入国審査は獣人は早く、人間は遅いのが常識みたいですからね」
「うんっ、それで直接グリードの女王に頼んでみたのっ」
「はい」
「色々話して裏ルートで行くことになってその時に……」
みやはそこで言葉が詰まる。
「その時に?」
「途中で……その……私がちょっとヘマをして殺されそうになった時、リュウトがあんな姿になっちゃって……」
「みやさんが?相手は魔物ですか?」
「ううんっ、違う……人間……悪い人間……」
「そうですか……」
アカネはそれ以上は詳しく聞かなかった。
「あの姿になったリュウトは周りの人間を全部殺して、それでも止まらなくて私達まで襲い始めて……」
「……」
「でもその時、白い神父さんが現れてリュウトを無力化してくれたのっ」
「白い神父?」
「うんっ、その神父が言うにはリュウトは『女神の力』に食われてるって」
「女神……」
「それでねっ、この薬をくれたのっ、女神の力を抑えてくれるって」
そういって魔注射を出す。
「これ、アカネも持っててっ」
アカネはそれを受け取る。
「つまり、また暴走する可能性があるんですね?」
「うんっ……それで私達は今リュウトの力をどうしよ?ってなってるっ」
「そうですか……タイミングが悪いですね……」
「?、タイミング?」
「【山亀】が動き出し、世界樹ウッドに一週間後到達するという情報が入りました」
「えっ!?あの山亀がっ!?」
「知ってるんですか?」
「うんっ……ま、まぁね……」
「?」
「とにかくっ、そのことも詳しく話してっ!」
アカネは今まで離れていた時の事を全て話した。
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