第211話 リュウトパーティーと合流!


 「リュウトさん!?」


 「が、ァア!」


 リュウトはその牙をむき出しにし此方を威嚇してくる。

 だが、まだ理性があるのか攻撃はしてこない。


 「あれは、どうなってるんだ?」


 「解りません!私がこの国に来るまではこんなことは!」


 リュウトを追ってきたのか人の気配が近寄ってくる、きっとリュウトのパーティーだろう、ならば!


 「私たちで勇者リュウトを食い止めるぞ!」


 「は、はい!」


 此方が戦う気になったのを察したのか、私とアカネが構えた瞬間にその場で踏み込み此方に飛んでくる。


 「ガァァア!」


 「フン!」


 空中で1回転して勢いをつけたリュウトの拳を盾で受け止める。

 普通の人ならば壁に向かって殴ってるようなものだ、魔法強化のかかってない拳など砕けるのだが__


 「くっ!?なんて力だ!」

 

 受け止めた此方が反動で後ろに下がってしまった。

 

 「リュウトさん!」


 「ガ、ァアア!」


 その隙にリュウトの腕にしがみ付き声をかける。


 「リュウトさん!どうしたんですか!これは一体!」


 「ガァァア!!」


 「きゃぁ!」


 「アカネくん!」


 振り解かれそこからまともにリュウトの拳をくらい吹っ飛ばされたアカネを私が受け止める。


 「大丈夫か!?」


 「は、はい……」


 アカネは渡していた治癒魔皮紙を使用する。

 

 「ガァァァァァア!」


 「来い!」


 リュウトを誘導し、私は盾でリュウトの攻撃を受け続ける。


 「ガァァ!が、がァァァアああラァぁあ!!」


 「これは!?」


 リュウトは殴るのを辞めて手を広げると鎧の形が変化して大きな5本の鋭い爪になり斬りつけてくる。


 「まるで魔物だ!くっ!」


 私が攻撃を受け続けていると、奥から人影が現れる。


 ……!


 あの白い髪の少女はリュウトと一緒に居たあの時の!確か名前を『みや』と言っていた。

 

 「!?、アカネっ」


 「みやさん!これは一体どういうことですか!」


 「リュ、リュウトはっ」


 みやが説明しようとするが後ろから来た子供に遮られる。


 「あのねあのね!ご主人様がガーってなってバー!って!」


 「あんたは黙ってなさい!」


 「いてっ、アンナひどーい!」


 「アカネ聞いてっ」


 「聞いてます!」


 「今リュウトは『魔物化』が進んじゃってるのっ!隙をみて取り押さえてっ!そしたら私がなんとかするからっ!」


 「ザックリしすぎてますが解りました!取り押さえるだけなら!キールさん!」


 「了解した!」


 リュウトが腕を振り上げた瞬間、私は片手剣を出して爪を弾く。


 「ガ!?」


 「そこだ!」


 少し体勢が崩れた所を完全な隙を作るために盾をリュウトの顔に体重を乗せてぶち当てる。


 「グァ!」


 体勢が完全に後ろへ崩れた!


 「今だ!」


 「流石です!そりゃ!」


 「ガァァ!」


 いつの間にかリュウトの後ろに移動していたアカネが後ろから羽交い締めにする。


 「みやさん!」


 「とりゃっ」


 そうすると解っていたかの様にみやが何かをリュウトの胸に投げつけ刺さる。


 魔注射を改造したものか?リュウトに刺さった瞬間自動的に中の薬が入っていく。


 「っ!?、ガ、ぁ……ァ……オ……イ.……」


 するとリュウトは気を失って倒れた。


 「これで少しの間大丈夫だよっ」


 「ご主人様すやすや~!」


 「アカネ、大丈夫?そ、その方は?」


 1番歳上の女の方が私の事をアカネに聞く。

 ……?

 何故か私を見て顔を赤らめる。


 「この方はグリードの代表騎士のキールさんです」

 

 「みやさん以外は初めましてですね、私はグリード代表騎士、キールと申します」


 「グリード代表!?えぇ!?あ、えと、私はアンナと申しますわ騎士様」


 「はい、よろしくお願いします」

 

 「アンナっ、今は良いからリュウトを運ぶの手伝ってっ」


 「良いとこなのに……しょうがないわね……」


 「それとアカネっ、おかえりっ。」


 「は、はい、みやさん、ただいま」


 「さっそくで悪いけどっ、そっちで何があったか教えてっ?」


 「はい、解りました!」



 

 


 

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