第191話 獣のウワサ 五!


 「うい〜おっさん今日は久しぶりに来たぜ」


 「お、久しぶりだな、らっしゃい」


 「お?厨房に見知らぬ奴が____人間?」


 「ごっくさっす〜」


 「こいつは商人だ、ミクラルから【ヒートスイマー】っつー名前のアヤカシの肉を注文したんだ、こいつの所でしか扱ってない食材でな」


 「いつも毎度っす」


 「ふーん?ま、俺はそんなに人間嫌いじゃないから良いけど、この国には人間嫌いも多いから気を付けろよ?」


 「うっす」


 「そんな事より、今日は1人か?」


 「おう!いつもの相方はつい最近はげ山になった所に仕事があるんだってさ」


 「あぁ、爆発があったとこか」


 「すっげぇ爆発だったよな、町から見てても解ったぜ……っと……あら?今日もいないのか?ルコサとルダの姉ちゃんは?」


 「あいつらは旅人だからな、この前国を出て行ったぞ」


 「えー、ルダの姉ちゃん今日の夜は相手してくれねぇのかぁ、楽しみにしてたのになぁ」


 「お、なんだ?やることやってんのか」


 「1日相手されると3日は腰が抜けちまってヘロヘロになるくらいのテクニックよ、あれはすげーぜ」


 「はん、まぁ、一杯やりな、話は聞いてやる」


 「店長からの「一杯やりな」って事は無料かなー?」


 「バカいえハッハッハ」


 「くっそー、ま、今夜もいただくぜ」








 「あの2人、最後まで不思議な奴だったなぁ」












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