第189話 勘違いの戦い!
「____!」
リュウトはエスと奴隷商人に気付きすぐさま戦闘体勢に入る。
それに続き他のパーティーメンバーもサポートのしやすい位置を陣取った。
「おやおや、これはこれは、ここでもあなた達に会いますとは、これも運命なんですかね」
「アオイさんを解放しろ!」
「おやおや、自分が買えなかったからと八つ当たりはやめてください、あの時アナタがもう少し早く来ていれば何事もなく35番を買えたんですよ?」
「うるさい!お前達『女神の翼』は奴隷商の中でもやり方が最悪だ!今ここで俺が____」
そしてリュウトは気付く。
「__!?そのじいさんは!」
エスと幹部の後ろに転がっている死体。
「知り合いですか?まぁ興味ないですが私共も此方のご老体に用がありましたね」
その言葉だけでリュウトは充分だった。
リュウトから殺気が放たれる。
「…………お前らが」
「はい?」
「お前らが殺したのかぁぁあ!」
目は赤くなり影から出てきた紫に光る魔方陣が包み込む。
「リュウトっ!」
そこから出てきたのはエスと同じ様な漆黒の鎧を来たリュウトだった。
「ご主人!だめ!また暴走しちゃう!」
「その力は使っちゃ駄目ってあの神父にも言われたでしょ!」
「ダまってロ!アイツらは殺す殺すコロス!アオイをアカネを__」
そこでリュウトは踏み込む。
「……っ!?」
耳をつんざくような雷鳴と間違える程の大きな音と共に奴隷商人幹部の目の前でエスの剣とリュウトの漆黒のランスがぶつかり、その衝撃で周りが吹き飛ぶ。
「カエセ!!!」
「……その力、どこで手に入れた」
エスはリュウトのランスを上に弾き飛ばした後、リュウトの身体を蹴り飛ばす。
「ガァァァァァア!」
空中で回転して受け身をとったリュウトは吠えた。
「話にならないな、俺と同じ『女神』の力を持ちながらその力に振り回される」
「ダまれ!」
「そうなったお前は魔物と一緒だ、俺に狩られるだけの____」
一瞬、リュウトの目の前からエスが消え、気が付いた頃には後ろに移動し
「無様な醜い『化物』だ」
「!?」
エスはリュウトの心臓に剣を突き刺した。
「…………前のお前の方が強かったぞ」
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