第2話

なん…だと…?

驚きの余り受話器をその手から滑り落とした覇気のこ軍幕僚長はその白い肌を更に白くして絞り出すように言った。


「THHの総司令部最高司令官が暗殺された…」


この事件の嫌疑は勿論覇気のこ軍へと向けられた。この時はまだ両陣知らなかった。

思惑通りに動いた盤面を見ながら権謀術数を練る黒幕がいたことを。


THHは翌々日正式に覇気のこへ宣戦布告。

たきのこの麓は中立を表明したが1割の会員は脱退してTHH義勇軍に入ったことが後の史実で明らかになった。


まずTHH義勇軍は和歌山にある巨大要塞オランゲを陥落させた。

巨大要塞ではあったものの、いや、だからこそたかを括って覇気のこ軍は兵士たちへの武器の供給が間に合っていなかのだ。

そのため少数精鋭の奇襲隊で巨大要塞の回転砲の八割を使用不可能に、かくして覇気のこは大敗を喫した。

しかし覇気のこも黙ってはいられない。

ただちにH-7爆撃機10機。F-15戦闘機30機を配備し、オランゲ要塞奪回作戦を立案。

和歌山はきのこの山みかん味を唯一生産する工場があるため戦略的に非常に重要だったのだ。

しかしオランゲ要塞は西方北方は山に、東方は川と崖に阻まれており、南方は太平洋に面していた。

対空設備が新しくTHHによって設置されたため作戦は日を追う事に覇気軍の劣勢となっていった。



ここで覇気のこは前代未聞、起死回生の作戦を行う。世に有名な名古屋制圧作戦である。

作戦内容は以下の通りであった。


①滋賀県彦根から東海道本線を通って名古屋へ3個師団(3万人)が突撃


②その内本陣2万人以外の兵士は名古屋要塞(3km間隔で5基)に奇襲を仕掛け、補給線を断つ。

この際に絶対命令として一般人への被害がなきよう覇気のこ総司令部は言い渡した。


③そして第3ウェーブ

伊勢湾を奪取したら本陣は潜水艦12艦をオランゲ要塞に向けて発進させる


ここまで1ヶ月で行うことを目標とした。


果たして名古屋制圧作戦は成功するのだろうか…



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きのこの山たけのこの里戦争 K @syusaku8kipposi

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