第9話 かんけつすること

 創作において一番重要なのは完結すること。


 起承転結、序破急、何事においてもオチをつけなくてはならない。


 選択と集中。切り捨てるものは切り捨て、PVがないものは完結させる。逆に人気の火が出始めるものは長く続ける。ジャンプの先延ばしではないが、数年単位で連載し、キリの良いところで完結させ、人気が出れば、アフターストーリーやIFストーリーなんかも入れてもいいかもしれない。


 日和と情報交換したあの日。雨は一番大切なことを教わった。


 金持ち父さんと貧乏父さんより。


 金持ちになるには、収入を増やし、支出を減らし、資産を買わなければならない。


 資産とは、株や不動産など、毎月、自分にお金を運んでくれるものだ。


 音楽の使用権や本の印税なども資産にあたる。もちろんカクヨムの収益なども立派な資産。


 勘違いされる資産に家や車がある。貸借対照表ではあれでも、家や車は負債。なぜなら固定費がかかるからだ。雨は資産を増やすことを学んだ。


 資産を増やし、毎月の支出と比べて、資産>支出、のマネーマシーンを構築すれば金持ちまでもうすぐ。


 結局、後日談というか、オチ。


 ブログも株もうまくいかなかった雨は、カクヨムで小説を書くことにした。


 人気は出なかったが、2年、3年と創作を続けた。


 未来の自分と日和はいつの間にか姿を消し、雨は一人で2000万を返済することに決めた。しかし、ここでうれしい出来事が発生。


 久守機構いわく、


「あなたの借金は、あなたの、未来の娘さんが返してくれました」


「え、じゃあ、もう、僕は働かなくていいの!?」


「はい、金融リテラシーを身につけ、金持ち父さんと貧乏父さんのシステムを理解し、浪費を抑えるようになったあなたに、借金地獄は二度ときません」


「やったー!」


 ちなみに金持ち父さんと貧乏父さんの作者、ロバート・キヨサキは不動産にレバレッジをかけて(銀行で借金しながら)売買で儲けた。昔の急成長中のアメリカだからできた芸当だ、と鼻で笑うのは誰でもできる。今の日本だと無理だ。しかし、世の中は面白いもので、富山にロバート・キヨサキのように不動産を転がして金持ちになった人が何人もいる。


 無理って言い訳はやめよう。挑戦しよう。だって衰退している日本の、それも田舎の富山県で、不動産業で儲けている金持ちはいる。


 推理雨の口癖は、Just Do It.


 行動あるのみ。とにかくやれ!


~~カクヨムで創作を始めて1か月後~~


「やった。1000円の収益が出た」


「よかったじゃない。初めての給料ね」


 ブログも株も失敗してしまったが、カクヨムでは初めての収益が発生した。これもあれも日和さまのおかげだ。


 情報交換して以来、未来の娘? と自負する日和は何かとコンサルタントしてくれた。一番大事なのは、浪費しないこと。収支表を付け、株のインデックス投資を始めると資産がみるみる膨れていった。


 そして、今日。カクヨムの収益化。なんとか公式の宣伝ももらい、PV数は鰻登りに増えていく。


「今まで作家になれるのはほんの一握りの天才だけだった。でも未来は違う。SNSで繋がった作者とファンが、アマチュアをプロに昇華させた」


 未来の日本では、プロじゃないアマチュア作家でも月10~100万を稼ぐ猛者が続々と登場するらしい。これもIoTによるインフラのおかげ。


「うん、ありがとう、日和。僕は作家として食べていくよ」


 創作がだめならエッセイ。エッセイがだめなら実話。実話がだめなら情報商材。


 雨はマルチ作家としてウェブ上で地位を確固たるものにしていく。


 すべては、Just Do It.


 行動あるのみ。とにかくやれ!


「これからもご教授をお願いします、日和先生」


「了解よ、パパ」


 推理雨、推理日和、二人は今日も挑戦し続けるのであった。


 ――完。

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まねえ・げえむ ハカドルサボル @naranen

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