第3話

「貴方は運が良かったですね。今から面白いものをお見せしましょう。」


そう言って男は俺を部屋の奥まで連れて行った。そこには、いつも授業で使うテレビが3台並んでいて、カメラの映像が映し出されていた。


「貴方のクラスをお見せしましょう。お友達が今戦っている最中でしょうねぇ。」


そしてモニターに自分のクラスが映し出された。そこには健悟と智司が戦っていた。しかし、殴り合いをしているわけではない。よく見ると、いつも空手で鍛えている強靭な体の持ち主の健悟は床に倒れて苦しそうにしていて、智司は鼻をつまみこちらも苦しそうにしている。


「わははははは、これこそ私の望んだ生き残りバトルだ!」


男がそう叫んだ。俺は何が何だかわからなかった。


「おい!あいつらに何をした!」

「私が彼らに果物の力を与えただけです。」

「……果物の力?」

「ええ。智司君にはりんご、健悟君にはドリアンの力を与えました。それによって、智司君はニュートンが重力に気づいたのがりんご目である事に因み重力を操ることができ、健悟君はドリアンが臭いことに因み自分の体臭の10倍の臭いを出す事が出来るようになりました。そしてそれぞれの力で生き残りを賭けた戦いをしてもらいます。」


と男が不敵な笑みを浮かべて言い放った。

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