第百四十九回 それでも、十万文字の達成を目指すよ!


 ――季節を飾る花々ように、素晴らしい物語は宇宙規模の個性、計り知れないほど世に存在する。例えるとカクヨム、未だ書籍化されてない方が不思議な物語がある。この狭い視野の中でも一人、IMイニシャルエムさんの作品がそうなのだ。


 そんな中での『瑞々みずみず賞』……。


 主催者は、まさにそのIMさんで、……まだ登録込みで、エッセイを始めてから四か月の素人と何ら変わらない僕の作品が、な、なんと、『キャラクター賞』という形で選ばれたのだ。IMさんの作品からしたら、駄作中の駄作だけれど、エールを送ってくださっている読者様のハートマークたちのためにも、何があっても僕は目指すよ!



 そんな思いも込み上がる最中、傍らには可奈かな、そして……IMさんこと、瑞希みずき先生を大人にした人物も、道中ともに歩いている。――風の行方と同じルート。僕は勇気を出して向かう。それは、もしかしたら「大きなお世話」と、言われるかもしれない。未来さんの傷口を広げることだって考えられる。一度は別れた親子、息子の前から消えた母親。


 それでも見て見ぬふりなんて、僕にはできない。

 脳に浮かぶ『報恩感謝』という言葉。もう後悔なんかしたくない。



『――今まで、一人ぼっちの時間を過ごしてきた僕に、

 やっと巡り合えた大切な人たち。かけがえのない時間へと、導いてくれた』



 だからこそ、

 だからこその『りかのじかん』だったのだ。


 あふるる涙、その雫ポツリと……するとね、トントンと背中を押した可奈。


「まだ泣くの早いよ、ちゃんと未来みらいさんに合わせてあげてからね、梨花りか」――その言葉の終了後に、チュッ! 時と場所、状況をも無視して、『年齢差を除けば、瑞希先生に酷似している未来さんのお母さん』の目の当たりにも拘らず、可奈は、ほっぺたにした。



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