第百二十三回 あれ? どうしてだろう?
――下弦の月、それはこの大きな窓の外にある出来事で、それが問題ではない。
ミッドナイトに及ぶ執筆……夜も更けて、十月も未明で、……一人きり。
流れゆく時間、静かなる。
静かなる時間、そのはずなのに、心騒めく。
されど身動きは取らずに、座る。僕はただ、座ったまま。……PCを目の当たり、PCの画面を目の当たりにして、変換はおろか、進まないカーソール。一行も、一文字も進まない。まるで釣りをしていてつれない時のようなイメージ。……そう、何時間も。
本当は、
本当はね、書きたいことはある。……でも、でもね、手が動かない。ううん、ではなくてね、指が動かないのかな? それ以前にね、文章化できないの、自分のイメージ。……これも違うね、頭の中まっ白。何も、何も考えられなくなっちゃった。
……グスッ、と、
情けないくらい、泣けてきちゃうね。
迫るコンクール、十万文字へ挑戦する執筆。立ち止まっている場合ではないのに、……このまま眠りについたら、明日は執筆が進むのかな? ――本当はね、今朝は、登校中も下校中も、将又前回のお話を書き終えた昨日の夜でさえも、書きたいことはあった。
それはね、
この『りかのじかん』を長きに渡り、ともに過ごしてくれた大切なお友達だから。可奈がいなかったら、このお話は成り立たなかったと言っても、過言ではない。
……またプラネタリウム、一緒に行きたいね。
今度は開始三分くらいで眠ったりしないから、もちろん
――僕の作品を、応援してくれる人達のためにもね。
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