第八十四回 Xマスのように、ホワイトな……。


 頭の中。考えられない程だ。


 前回の続きは続き、僕は今、未来みらいさんのお家。未来さんと同じお部屋にいる。



 目の前には未来さん。……TVGテレビゲーム、ではではなくてPS4。そう言っていた。


 目の前にはバンプラ。デーンと机の上……あっ、描写不足になっていると思われるのでね、何だか小学校の頃から使っていそうなお勉強机。その上に『四十八分の一スケールのUGユージィ』が、リアルでカッコいいイラストの箱で置いてある。このスケールなだけに、この机の上一面を覆うような勢いで、厚みも「すご~い!」または「でかっ!」と、今時の女子力満載な女子のように可愛く声を発しそう。……おええっ! まるで『ボクッ娘』ではなくて『男の娘』みたいで「超キモ~イ!」と……おええっ! ますますだ。


 つまり爆死。自爆だ。


 目の前には瑞希みずき先生。そうそう気を取り直そう。僕は初めて親戚や、お祖父ちゃんお祖母ちゃん以外のお家に入室。さらには年上の男の子のお部屋に上がるのは初めてでも、生まれて初めてのレベルに達する。……だからね、本当はパパと一緒の方が良かったのだけど、生憎の単身赴任を再開。今は『東の都』だ。だからこそのパパの代わり。


 つまりは僕の保護者。


 ……ママには内緒だから、瑞希先生ということなの。


 でもでもでも、未来さんとともにPS4。一緒に格ゲー。「めちゃうま」と関西弁丸出しな僕。……でもって夢中の極みで僕の存在を忘れているの? というぐらいの喜々としながらも、もはや人間ではないような集中力。学校の授業では勿論、これまでに見たことがない瑞希先生の表情。真剣そのものだ。裏の瑞希先生が発動しているかも。



 ――以上が、前回FNファイルナンバー〇〇八三(第八十三回)の背景だ。


 丁度そんな時、チャイムが鳴る。「梨花りかさん、ちょっとお願い」と、瑞希先生は言う。


 あれ? ここは未来さんのお家だけど……と思いつつも、僕は玄関に出る。



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