第八十三回 Xマスのような、夏休みの最終日。


 ――刹那的。パラパラと捲る組立図とは裏腹に、時間が過ぎるのを惜しむ心。



 もう月変り九月。本当なら二学期が始まるのに、


 今日は、おまけの一日。……そのはずだったが、しっかりと休日。夏休みの最終日として存在感を示した。朝、このジョギングなどで行き交う人もパラパラな児童公園。その木漏れ日の下で待ち合わせ。――ここに、昨日の応援&コメントに秘めた暗号の答えが、示された。『TMレッツゴー。TMへ』なる暗号だ。


 昨日のトゥモローは今日。

 最初のMはミート。待ち合わせとも。そこからの未来さんのお家へレッツゴーだ。



 ――と、いうわけで、


 ここは、未来みらいさんのお家だ。しかも中、室内、初の男性のお部屋。


 中学一年生の女の子が、十九歳の男性のお部屋へ上がり込む。……なんて想像してみたら、少し怖くなったの。だから今、Mさんこと瑞希みずき先生が同行してくれている。


 僕のことを察してくれて……って、


 むむっ?

 あれれ?


 何で今日、未来さんのお家へ行くのを知っていたのだろう?


 僕は一言も、瑞希先生に伝えていなかったのだ。サイトの中に於いても、口頭でも。


 てっきり、


梨花りかさんのことなら、何でもわかるよ」との、その『地の文』に対しての答えが返ってくるのかと思っていた。期待で胸を膨らます乙女を演じる最中、「未来君、今日も負けないよ」との台詞……えっ? さらに「臨むところだ」とのお決まりの返答。……徐に今も流行りなPS4を起動。燃えるアクション! 繰り広げられる熱き大戦!


 ……って、「あの、未来さん?」と、僕は声をかけて、問い合わせる。



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