第六十九回 梨花、大地に立つ。
――そりゃそうだ。下車したのだから。
それに、僕だけではない。
ボン! と、熱を帯びる。
中学女子の恋愛に対する好奇心。何の弾みか、惚気るマリさん。――あの日、八月二十四日。伝説の大樹の下での告白は、何と、……実はマリさんが第一号だったのだ。
白い顔が、ほんのり赤く、
マリさん自身が、その時、何を言ったのかは飛んだようだけど、
「お前、これからも俺と、ずっと一緒にいろよな」という
……だけども、
その思いに通ずること、僕は言いたい。
――可奈。それから、とくに千佳。後ろ姿見ると、とくにそう思える。夏休みはずっとだけど、新学期を迎えてからも、二学期が始まってからも、ずっと一緒にいたい。
僕たち三人。
すれ違う人は……あまりいない。駅員さんの姿もなく、無人駅。
のどかな風景……されど二〇二五年は、ここはテーマパーク。賑やかな風景へと年表のように、みるみると進化を遂げるだろう。ここは『府構想』が実現した世界で、僕たちが住んでいる所は『
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