第七十回 数字に例えたら、ラッキーセブンの十倍。


 ――僕のエッセイも、七十回目を迎える。


 こんなに続くなんて、書き始めの頃は思ってもいなかった。エッセイの向こうには、読んでくれる人がいた。稚拙極まれる文面でも、丁寧に読んでくれる人がいた。


 本当に、ラッキーセブンの十倍。


 本当に、ありがとうございます! 僕は良き読者様たちに巡り会えました。いつも励みになっています。エッセイは書斎ともいえる部屋で綴るのですが、『りかのじかん』は以前にもお話した通り、書斎ではなく現場で行われております。



 レッツ物語!


 梨花りか、大地に立つ。――それだけではなく、可奈かな千佳ちかも含めた三人で、二〇二五年のテーマパークと成り得るこの場所で、今は秘境の如く緑豊かなこの場所だけれど、


 ……あれ?


「可奈、プール行くんじゃなかったの?」


 見渡す景色はイメージと違っていた。……だからこそ、訊いてしまった。あまり喋らない千佳に、なるべくスポットを当てるようにと心掛けながらも、


 翳りと、頼りないくらいに揺れる瞳、目で追いかけながらも、


 ……あれ? の二乗。


「言ってなかったっけ? それ以前の問題で気付かなかったの? 電車の窓から見える景色。キャンプもできそうな大自然満載な場所に変わっていくの」

 と、可奈は言うが……目が泳いでいる。


「本当に言ったの? やっぱ初耳だよ、僕……千佳もだよね?」


 コクリと頷く千佳。――良かった! と思う。それには二つの理由が共有しあっているのだ。一つは、やっぱり聞いていなかった。僕も千佳も。可奈は都合が悪くなると目を泳がせる癖があった。何より二つ、二つ目は、千佳が反応してくれたこと。時々、無反応になることがある。楽しくないのかな? ……と、心配になる時があるのだ。



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