第四十五回 すると、応援コメントが。


 ――Mさんだ。


 ……良かった。感涙近し、二度見それを繰り返し、幾度もだ。



 内容はエッセイに関する感想だけど、Mさん得意の暗号込み。


『T→無問題=TS→ミートミートの進行形』……まあまあまあまあ、明日になったらわかるってことね。もち学園で前向きなイメージを感じさせつつ。


 Mさん、=もち(もちろん)瑞希みずき先生のこと。


『無事に検察庁から帰還したとのこと』で間違いないはずだ。――僕は、その意味を含めた応援コメントだと理解し、返信を行う。感謝の言葉に感激を乗せ、ハーフハーフ。


 そのことに便乗したのか、Kさんからもコメントが舞い込む。


 文の終わりに『良かったね』


 決して不自然ではなく、よく纏まっている。Kさん=可奈かなだから、今日、僕が初めて舞台に立ったことをエッセイに載せたことに対しての感想……その文章に見えるが、二重の意味込々で、Mさんが無事に帰還したことに対してでもあった。



 そこで、ふと過ること。


 どうしてMさん、瑞希先生は『ミズッチ』なのだろう?


 未来みらいさんも、

 思い出すと、今も背筋が凍る星野ほしの善一ぜんいち刑事も、そう呼んでいる。



 ――それもきっと、明日わかることだろう。


 明日の楽しみへと、刻々変化する。最初は『どうしよう』と泣きそうなほど慄いて、大道具制作への役割変更を希望するに至っていた主役の座も、マリさんの包容力ある演技指導で、いつの間にかトキメクほどの『楽しみ』へと変化を遂げていた。


 ――明日も、マリさんと一緒に舞台に立つから。



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