第十三回 ――といえば金曜日。


 そして白昼にもかかわらず、その事件は起きた。



 芸術棟の三階。十一人集ったこの部屋の形状が以前とは異なっているような感じで、部屋の奥にまた部屋がある。そこからがまた広く、まるで七十年代……二十一世紀生まれの僕にとっては未知の世界だけど、FSフォークソングとかの歌詞を再現したかのような情景が、個々に広がってゆく。部屋の中に部屋が、繰り返されるパラレルワールド。



 しかし時の過行くのは迅速で、

 回転ドアのように、回る回る。白昼から夜の帳……。


 ぼんやりと北極星が見えたが、またたく間。背景が妖しくピンクに染まり、また部屋部屋の情景。その窓の外はまたも白昼。その中には、またもポーラースター?



 ――その関係で北斗七星。


 白昼堂々、穴だらけの白い仮面。色が被る……いやいやいや、チェーンソーを持っている。しかも音を立てつつ、高速で、歯は回転する。十三人のJソン。ヘルメットを取るような仕草。現れたのは素顔や正体……量産型のMさん。


 想像してみて!


 同じ顔が十三人。万華鏡のように並ぶ。

 意味は分からないけど、キラッと輝く刹那、チェーンソーは振り下ろされた。


 ブンッ! と、

 日本刀のように鮮やか、ギロチンのように瞬く間で、


 着ている白のワンピースが切り裂けて、首が落ちる。……痛くないけど。

 血を見る機会もなくて、僕の体は、次回の回数と同じ部位に分解された。


 十四個のパーツに……。


 ホラーじみた空気漂う中で、量産型のMさんはクスクス……笑っていた。



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